日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本の企業は、まだまだ元気!?

2012-10-23 18:51:22 | ビジネス
今年の夏、話題になっただけではなく大ヒットした「扇風機」がある。
ご存じだろうか?
通常の扇風機よりも「羽の枚数が多く、静か、送風も柔らか」という「扇風機」だ。
何となく、昨年のダイソンが発売した「羽の無い温風機」や同じく「羽の無い扇風機」の話題で、すっかり影が薄かったような気がするのだが、一般的な扇風機よりも3倍くらい高い価格にも関わらず、大ヒットしたバルミューダ社の「グリーンファン」と言う扇風機だ。
そして、この冬に向け「空気清浄機」を発売するようだ。

先日、偶然FM番組でこのバルミューダの社長さんである寺尾玄氏のインタビューを聞いた。
そして「日本の企業もまだまだ元気!?」と言う気がしたのだった。
まず、このバルミューダという企業、理念は「最小で最大を」
小さなスペース、省エネ、静音、シンプルな操作などを目指しながらデザイン性に優れ、心地よさを最大限に引き出す機能、と言うコトのようだ。
もちろん、今という時代を反映して「環境」というコトにも配慮をする、コトも含まれている。

考えてみれば、バルミューダの理念と言うのは、戦後日本経済を引っ張ってきたメーカーが一番得意としていたモノのではないだろうか?
現在、元気の無いソニーなどはそんなデザインや発想で製品を作っていたように思う。
ただ、ソニーと違うとすれば寺尾さんの経歴かも知れない。
寺尾さんご自身は、工業系の大学で学んだ経験が無い。
代わりに、10代の頃から海外へ出かけ、バンド活動をしたりと、いわゆる日本の経営者としてはとても異色の経歴を持っていらっしゃる。
おそらくその様な経験から、シンプルながら使い勝手が良く、人にも環境にも優しいモノづくりができるのかも知れない。
一時期盛んに言われた「ユニバーサルデザイン」という言葉を必要としない、デザイン性と操作性のある製品を作り出すコトに成功している様に思う。

アップルの「iPhone」や「iPad」ような、世界的大ヒット商品とはならないかも知れない。
大切なコトは、ゆっくりでもロングセラーとなる「生活を心地良くするための製品」と言う考えなのでは?と言う気がしている。
そしてこの「ロングセラーとなる商品づくり」と言うのが、実は一番難しい。
生活者の価値観は、どんどん変わっていく。
価値観だけではなく、生活のスタイルも数年で劇的に変化をしてしまう。
その中で生き残ると言うのは、本当にシンプルで使いやすいデザインを持った高性能なモノだけだからだ。
それを維持する為に必要なモノは、使う人を思う気持ちとぶれることの無い理念だろう。

これから注目していきたい、企業であり寺尾さんだ。