日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

新しい「香り」ビジネス?

2013-11-10 21:22:09 | ビジネス

この夏頃から問題になり始めた?「香害」。
海外でヒットした、柔軟剤が話題となり「柔軟剤市場を変えた」とまで言われた。
反面、私自身も経験をしたのが「香害」だった。

「香り」そのものは良いものであっても、総ての人に受け入れられると言う訳ではない。
まして、人が多く集まるような「電車内」や、ショッピングセンターなどでは、苦手な人にとっては、苦痛以外の何物でも無い。
そんな「香り」だが、興味ある記事が讀賣新聞に掲載されていた。
讀賣新聞:プルースト現象、懐かしい香りが脳や体を活性化

「プルースト現象(または「プルースト効果」)」というのは、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」の中に書かれた一節から取られた、心理的現象というが言われている(らしい)のだが、それが研究され、心理的効果があるというコトになると、実際この様なビジネスが起きてくる可能性はある。
と言うのも、マーケティングの勉強を社会人となってから、再び始めた頃ある本にこの様な一節があったからだ。
「アイボリーの石鹸の香りを嗅ぐと、子どもの頃使っていたバスルームを思い出す。そしてその思い出は、優しかった母や両親と過ごした楽しい思い出に結びつき、私に幸せな感覚をもたらす」
と言う内容だった。
そしてその本では、この様な「子どもの頃から慣れ親しんできたブランドには、信頼・信用に鍵をかけた状態である」という内容の説明がされていた。
しかし、今回の「プルースト現象(または「プルースト効果」)」という視点で考えると、それは単なるブランドに対する信頼や信用、と言う意味ではなく、より深いところで結びついた脳とか体、心理的影響によるモノだというコトになる。

それだけではなく、「香り」というビジネスが、医療や介護という分野にまで発展する可能性がある、と言うコトを指しているように考えるのだ。
現実的に可能なのかはわからないが、認知症などが進んだ患者さんに対して「子どもの頃、どんなところで生活をし、その時印象的な香りは何か?」というコトが判れば、その香りが治療に使えるかも知れない。
精神疾患の患者さんに対して、投薬治療以外の治療法ができるかも知れない。

香りのように「五感」に訴えるようなモノ・コトというのは、案外深いところで人に影響を与えているのかも知れない。