日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「伝える」難しさ

2013-11-20 19:46:01 | アラカルト

今日、某大学で開かれた講演会に出かけてきた。
講演をされた先生方は、皆さんその分野では活躍をされている方々ばかりらしい。
と言うのも、一般メディアに登場されるような先生方ではないので、世間的に著名な先生と言う訳ではないからだ。

講演は4つ、科学・社会経済・生理学・言語という全く違う分野の講座を一度に受講すると言う、参加側もなかなかハードな講座だった。
そして、4つの講演を通して感じたコトは「伝えるコトの難しさ」というコトだった。

高校生の頃、理系分野が苦手だったこともあり、科学や生理学などに関しては、理解が難しいと言うのは最初からわかっていたことなのだが、社会経済や言語という分野に関しては、ある程度の理解はできる!と、思っていた。
ところが・・・私の理解力の無さもあるとは思うのだが、「講演の内容のポイントは何?」と思うコトが多々。
講演会と言っても4つもの講演を短時間で行うと言うコトもあり、相当ポイントを絞らないと話が散漫になって、講演を聴いているこちらの記憶に残らないのだ。

記憶に残ったのは、高校生の頃一番苦手としていた生理学の「創薬」の講演。
このところ「治験」などについての調べ物が多かったコトも関係していると思うのだが、創薬できるだけの力をもっている企業は世界でも限られており、アジアに限って言えば日本企業だけである、と言うコト。胃腸薬の市場規模が2兆円もあることの他に、次世代のがん治療薬として注目されている「分子標的薬」の基礎的考えを基に、様々な病気の治療薬の開発ができるということ等々・・・。
創薬に関する経済的な話は、講演中の枝葉の葉の部分でしかないのだが、大雑把な理解は何とかできたと思う。

ところが、多少なりとも理解する自信があった言語の講演では、頭の上には「???」が沢山浮かんでしまった。
「伝える」というコトに長けているはずの先生なのだが・・・と思いつつしばらく真面目?に聴いていたのだが、出席をしている方の中には途中で席を立つ人が多く、おそらく先生もそれがわかったのだろうか?話がハイスピードで進み余計に「何をテーマとして話しをされているのだろう?」と言うコトが益々判らなくなってしまった。

先生方の言葉は実に平易な言葉なので、言葉が理解できないのでは無い。
「何を言いたいのか?」がわからないのである。
「話す技術」として、「平易な言葉遣い」があげられるコトが多いと思うのだが、「平易な言葉遣い」だけでは「伝わらない」ということなのだ。
「何を伝えたいのか?何を伝えなくてはならないのか?」そのポイントを整理した上で、平易な言葉で話すコトが大切なのだと実感をした。
自分自身に置き換えてみても、「伝える」というコトには自信が持てない・・・。
それだけ「伝える」というコトは、難しいコトなのかも知れない。