日々是マーケティング

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年賀状、数百枚出すご家庭はどのくらいあるのだろう?

2013-11-17 07:26:11 | ビジネス

今月1日から「年賀はがき」の発売が始まった。
一部新聞などでは、郵便局員さんの「自爆営業」が問題として取り上げられている。
問題として取り上げられているのは、「非正規社員でも3,000枚のノルマを課せられ、ノルマ達成のために自腹で購入→金券ショップで売り払う」という内容だ。
この様な記事は、毎年今頃になると取り上げられていると思うのだが、民営化されてから取り上げられる頻度が上がったように感じる。

ところで、政府が様々な試算モデルとして取り上げる「夫婦+子ども2人」という「一般的家庭」で、年賀状はどのくらい出すのだろう?
「個人情報保護」の理由で、幼稚園や学校、職場では「住所録」というものを作らなくなった。
一般家庭で出す年賀状そのものは、ごく限られた友人だけなのでは?
逆に子どもの年齢が上がるにつれ、携帯電話やスマートフォンで新年の挨拶をする様になる。
住所は知らなくても、携帯やスマホのアドレスは知っている、と言うのが現状なのではないだろうか?
実際のところ、50過ぎの私のところでさえ、友人から「あけおめ」と新年の挨拶メールが来る。

そう考えれば、「年賀の挨拶」そのものが変わってきている、と言うコトになる。
一方、郵便局の「年賀状CM」は相変わらずで、「日本人なら年賀状を出すのが当たり前」という雰囲気が漂う。
郵便年賀.JP:CMギャラリー
CMとして見ると、それなりに「頑張った」という感じなのだが、携帯やスマホに対抗できるだけの提案があるとは思えないのだ。
特にスマホのような高機能のツールに対して、「年賀状」はローテックでスピード感が無い。
年賀状のローテックというか、手作り感を大事にしようとすると時間と手間が掛かりすぎる。
それなりの枚数を出そうと思えば、プリンターで一斉印刷をした方が便利で、手間もかからない。
大口利用者と考えられる企業にしても、「経費節減」で年賀状そのものを出さない、もしくは限られた取引先限定なのではないだろうか?
そんな現状を考えれば考えるほど、1世帯、1企業で出す年賀状の枚数というのは、日本郵便が売りたい!!と思っている枚数よりも遙かに少ないのではないだろうか?

もっと現実的な数字を販売予定枚数に反映させるコトのほうが、様々な意味で「コスト削減」という気がするのだ。
むしろ「あけおめ」という言葉では伝わらない、気持ちや思いを本当に伝えたい人に贈る、と言う位のアプローチで、「年賀はがきを受け取る=特別な出来事」と言う位の提案と新しい文化(と言う程ではないが)を創るコトが大切だと思う。