日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大画面テレビとテレビドラマ

2013-11-09 21:26:33 | アラカルト

週末になると、新聞に折り込まれる家電量販店のチラシ。
冬のボーナスシーズンを前に、各社積極的な売り込みを感じるこの頃だ。
そのチラシを見ていて、気になったコトがある。
それは「大画面テレビ」と呼ばれる、テレビを置く場所だ。

おそらくリビングに置かれるコトを想定しているのだと思うのだが、60V型以上のサイズとなると、相当の広さが必要なのでは?と、思ったからだ。
まして、家電量販店(=家電メーカー各社)が力を入れたい「4Kテレビ」となると、55V型サイズ以上。
高額なテレビというだけではなく、置き場所も必要なテレビという気がする。
4Kテレビを置くには、それなりの広さのあるリビングがある、と言うコトも前提として考える必要があり、その様なお宅はどれくらいあるのだろう?と考えてしまうのだ。

と同時に、このような「大画面テレビ」ではどのような番組を見るのだろう?と、考えたのだ。
実際、家電量販店に行くと「大画面テレビ」で流している番組というのは、スポーツ番組が多い。
先日のボストンレッドソックスが優勝した時のシーンなどは、大画面テレビならではの臨場感があり、一瞬ではあるがスタジアムとの一体感のようなものを感じた程だった。

ところが、同じ大画面テレビでテレビドラマが流れていると、何とも違和感というか「チョット違うのだけどな~」という感覚を持つコトが多い。
あくまでも個人的な感覚なので、大画面で大好きな俳優さんが見られて嬉しい!と、思われる方もいらっしゃると思う。
私が感じる違和感というのは、実はその「大画面に映される俳優さん」なのだ。

テレビと映画と違いの一つは、顔のアップなどの距離感だと言う気がしている。
テレビのほうが、映画に比べ随分近いと言う感じを受けるのだ。
その距離感の近さが、大型テレビの画面でアップされると、圧迫感というか画面の大きさに圧倒されて、違和感を感じてしまうように思う。
それに比べ、スポーツなどはスタジアムの全体と選手を捉えるとなると、ある程度大きな画面サイズのほうが臨場感もあり、スポーツそのものを楽しめるような気がする。
やはりテレビには、テレビにあった映像距離感というものがあり、今の大画面テレビのサイズは、日本のテレビドラマ向けサイズではないような気がするのだ。

テレビがブラウン管だった時代のテレビドラマの感覚で、大画面が主流になりつつある今、同じ感覚でドラマ製作をしているとすれば、視聴する側の「視覚的感覚」というモノが、抜けているかも知れない、と言う気がしている。

何事にも、程よい距離感というものが必要なのでは?と、折り込まれた家電量販店のチラシを見ながら感じた週末だ。