日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

小売りの大編成期が始まった?

2015-09-20 21:17:13 | ビジネス

我が家近くのダイエーが、今月末にイオンの名前になる。
ここ1ヵ月ほどダイエー店舗の折り込みチラシが、「ありがとうセール」と銘打っていたので、いつだろう?と思っていたのだが、今月末で名古屋からは「ダイエー」の名前が無くなるようだ。

ダイエーといえば、亡くなられた中内さんを思い出す方も多いと思う。
「主婦の店」という、小さなスーパーマーケットから商売を始められ、一時期は百貨店の売り上げを凌ぐほどの勢いがあった。
その勢いは、様々な業種にも進出し現在のYahoo!ドームとプロ野球球団・ホークスなどの経営まで、幅広いものであった。
それだけではなく、「PB商品の開発」などを積極的に行い、今のスーパーの「PB商品」の基礎を築いた。
しかし、バブル崩壊の頃から経営不振に陥り、商社である丸紅と同じ業種であるイオンから、支援を受けるようになり、現在はイオンの完全子会社となっていた。

ダイエーと肩を並べるような勢いがあったのが、「イトーヨーカ堂」だ。
その「イトーヨーカ堂」も先日、大型店舗の閉鎖を発表している。
現在、「セブン&アイホールディングス」のグループ会社となっている「イトーヨーカ堂」だが、もともとは「イトーヨーカ堂」の傘下に「セブンイレブン」があったように思う。
コンビニが、大手スーパーを飲み込んだ、という印象を持っている。

同じように、スーパーがコンビニに飲み込まれそうになっているのが、名古屋(正しくは、稲沢市に本社がある)の「ユニー」だろ。
しばらく前に、コンビニのファミリーマートと経営統合を目指す、という発表があったばかりだ。
その「ユニー」もまた、「イトーヨーカ堂」同様、不振店舗の閉店を決めている。
今や店舗規模が小さく、フランチャイズで店舗数を延ばしてきたコンビニに、大手スーパーが飲み込まれるコトが、不思議ではない時代になってきている。

そのコンビニですら、資本業務提携が始まっている。
コンビニ大手の「ローソン」と、中国地方中心に展開をしている「ポプラ」だ。
しかも、資本業務提携後の新店舗・1号店を、鳥取にオープンさせるという。
おそらく、他の地域と比べるとコンビニそのものの数が少ないため、出店しやすいのかもしれない。

コンビニ同士の資本業務提携と、「ダイエー」や「イトーヨーカ堂」、「ユニー」とは業務提携の意味が違うはずだ。
大手スーパーの不振の一つが、もともと食料品中心だった店舗に「ユニクロ」などのアパレルのテナントが入るコトで、集客そのものはできるのだが、スーパー本来の売り上げに結びつかない、ということもあったようだ。
実際、今年7月「ダイエー」の店舗に入っていた「ユニクロ」が撤退をしている。
ユニクロ側としては、決して売り上げが悪かったとは思えないのだが、ユニクロ側としてはより大きな店舗での展開を考えていることもあり、撤退を決めたのかもしれない。

米国では、大型ショッピングモールの閉鎖などもニュースになっている。
Amazonをはじめとする、ネットショッピングの影響ともいわれているが、それだけではないように感じている。
日本と米国とでは、生活者のライフスタイルが違うので、一概にいえるコトではないが、一つわかっているのは「小売業」の再編が始まっている、ということだと思う。