日々是マーケティング

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トヨタとマツダ、対照的な色づかい

2015-09-30 19:07:05 | CMウォッチ

Yahoo!のバナー広告には、多くの企業の「今」を見る時がある。
特に、自動車メーカーのバナー広告は流される量も多いため、頻繁に目にするコトになる。
最近では、「排ガス規制」の問題が取り上げられたVWの広告が、まったく見られなくなってしまった。
その前には、トヨタの外国人役員の問題が発生した時も、パタとみるコトがなかった。一応、問題の決着がついたとたんに、頻繁に見るようになった。
そう考えると、Yahoo!などのポータルサイトに表示されるバナー広告は、テレビCMと同様に「その時々の企業を映す鏡」のようになってきているような気がする。

今、頻繁に流される広告の中で、印象的なのはおそらくマツダだと思う。
深い赤色の車種を並べている、というだけでもこれまでのマツダのイメージとは、ずいぶん違う印象を与えているように感じる。
一方「変わった色を使っているな~」という印象があるのが、トヨタだ。
7月に発売をした「シエンタ」に続き、今月発売した「マークX」も、CMとして使用している色は「黄色」だ。
先ほど、トヨタのHPを見たら限定として「86」も黄色のボディーカラーを発売したようだ。

以前拙ブログでも書いたコトがあると思うのだが、「色のイメージ」というのはその色を見た相手に対してだけではなく、発信者にとっても大きな心理的なものを表現しているコトが多い。

例えば、選挙のポスターなどを見るとわかると思うのだが、なぜか「紺(系)の背広に赤いネクタイ、白いワイシャツ」が使われるコトが多い。
「紺と白」で清潔感を出し、「赤」で挑戦や前進といった前向きな印象と「決意」を印象付けるため、と言われている。

その視点で見ると、マツダが積極的に「赤系」の色をCMなどに使う、というのはこれまでのマツダのイメージから脱却したい、という思いがあるだけではなく、新しいチャレンジをする企業というイメージを創りたいという気持ちの表れのような気がする。
その一つが新しい「クリーディーゼル」であり、バナー広告で見られるような「独自の技術」ということなのだろう。

一方「黄色」という色を使うトヨタは、どうなのだろうか?
多くの人にとって「黄色」という色は、「注意」という印象があると思う。
様々な色の中で、意外に目立つ色というのが「黄色」だからだ。
また「元気な色」という印象があるのも「黄色」だろう。
とすれば、トヨタが最近打ち出している「スポーツ」という、躍動感などを示すために積極的に起用しているのかもしれない。

マツダは自社のイメージを変えるために「赤系色」を多用しているのに対して、「黄系色」を使うトヨタはクルマを「移動手段」としではなく、「躍動感のある移動体」としたいのかもしれない。
そのメッセージが生活者に伝わるか、どうかは別の問題として・・・。
なぜなら、町中を走っているクルマの多くの色は「白・シルバー・黒」が、圧倒的に多いように思えるからだ。