日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今年の2つのお正月CM

2020-01-01 09:42:27 | CMウォッチ

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年の暮れ、一つ感じたことがあった。
それは年末年始向けの広告を、ほとんど見かけなかったことだ。
「今やお正月も一つの祝日となってしまったのか?」という気がするほど、お正月に向けてのCMを見かけなくなってしまったような気がした(と言っても今はYahoo!などのAD広告なのだが)。

そのような中で「やはり!」という感じで、お正月限定のCMを制作していたのがサントリーのBOSS(youtubeでの限定)と富士フイルムだろう。
サントリーBOSS:ボス「ねぇ、寅さん」篇60秒サントリーCM

富士フイルム: 「お正月を写そう♪2020ラグビー七福神・音チェキ」

サントリーのBOSSは、映画「帰ってきた寅さん」とのジョイントCMということもあるが、お正月映画の定番として人気の高かったということを考えれば、お正月らしさを感じる昭和世代も多いのではないだろうか?

そして富士フイルムの「お正月を写そう」シリーズは、樹木希林さんが亡くなられたことでその継続となるCMがどうなるのだろう?と思っていたのだが、現在の富士フイルムのイメージキャラクターを務めている広瀬すずさんを起用し、お正月らしい華やかさを感じさせつつ、チェキの新機能を訴求する内容になっている。

しかし残念なことに、お正月CMと呼べるものはこの2社くらいしかない。
「おせちに飽きたらカレーもね」というキャッチコピーを長く使っていた「ククレカレー」は、コンビニやスーパーのお正月休みが無くなったことで、「おせち料理」そのものを楽しむ人たちが減ったことで、「今の時代にはそぐわないのでは?」ということで、制作されなくなった(ように考えている)。
ただ、今年くらいからコンビニのお正月休みが始まったことで、数年後コンビニやスーパーのお正月休みが定着することで、「ククレカレー」のような「おせちに飽きたら・・・」というCMも再び登場してくるかもしれない。

一つ言えることは、お正月という祝日が昭和の頃のような意味を持つ祝日では無くなりつつある、ということだろう。
年賀状ではなくスマホのラインで「あけおめ」とスタンプで、挨拶をする若者たちが多くなる中、渋谷などやアミューズメントパークで繰り広げられる「カウントダウン」と「お年玉」くらいが、お正月らしさとして残っていくのかもしれない。

サントリーの「寅さん」のCMを見ながら、そんなコトを思う年明けだ。