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昨夜のゴーン氏の記者会見と興味深いデータ

2020-01-09 20:03:50 | アラカルト

昨夜行われた、元日産自動車の会長カルロス・ゴーン氏の記者会見。
日本の報道各社が、中継をしたようだが日本の報道各社に対しては、なかなか厳しい態度を示したようだ。
中継された記者会見を見ていないので、その内容に触れることはできないし、日本での受け止められ方とレバノンやフランスなどでの受け止められ方も違うはずだ。

レバノンは、ゴーン氏にとっての生まれ故郷で、フランスはゴーン氏がCEOを務めていたルノーがある。
今回のゴーン氏への容疑は、あくまでも日本国内を対象とした案件であり、日本の法律にのっとって行われた捜査であり、容疑内容であった。
そう考えると、ゴーン氏の主張すべき点は、「拘留中の待遇」ということになるはずだ。
そして、今朝の報道などを見てみるとやはり「拘留中の待遇」に相当な不満を持っており、それが「人権侵害である」という、主張に結びついているのでは?という、気がしている。

昨夜の記者会見では「人質」という、物騒な言葉も飛び出したようだが、ゴーン氏の表情からどのような感情が生まれていたのか?という、興味深い記事が日経新聞にあった。
日経新聞:AI分析でみえた「怒り」 ゴーン日産元会長

アルゴリズムデータを使いAIによって、記者会見時のゴーン氏の心情の変化を表情から読み解こう、という発想は今までにない発想だろう。
その意味では、これから先不祥事を起こした時の責任者の記者会見などでもこのようなデータ解析によって、その時々の感情分析をするようになるのだろうか?という疑問と(面白そうだな~という)期待を持ってしまうのは、私だけではないと思う。

さて、その結果だが日本及び日産を批難するような発言の時には、意外(?)にも怒りの表情多くないような気がする。
一方で「拘留中の自分の待遇面」の場面では、相当な怒りの感情を持って発言をしているようだ。
ということは、ゴーン氏にとって逮捕云々よりも「拘留中に週2回しかシャワーを浴びることができなかった」という「待遇面」に対して不満や怒りを持っていた、ということになると思う。

それが一転するのは「自分は人質であった」という場面だ。
「怒り」がなくなり「悲しみや嫌悪」などが目立つ半面同時期に「驚き」の表情が表れている。
その時の「気持ち」というのは「自分が拘留されている」ということに対する「嫌悪感」を持ちながらも「何故自分が逮捕拘留されなくてはならないのか?」という驚きであった、ということになる。
「嫌悪」の原因は、ゴーン氏のいうところの「誤認された」という捜査関係者に対する「嫌悪」だろうし、「驚き」はいまだに逮捕・拘留させられた「意味」が理解できていないから、という気する。

確かに、ゴーン氏は赤字続きだった日産を立て直した、という自負があるだろう。
だからといって、法律に抵触するような行動が許されるワケでもない。
今回のゴーン氏の狙いは「日本以外のメディアへ『日本独特の拘留の実態』」を知らせるとともに「自分はこれほどまでに可哀想な生活を文化的に豊かなはずの日本で受けてきた」ということのアピールだったような気がする。。