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グリーンエコノミーをリードするのは?

2020-01-26 16:03:09 | ビジネス

昨年、グレタ・トゥーンベリさんが国連で、激しい言葉で気候変動についてのスピーチをしたことは、記憶に新しところだと思う。
この時のスピーチは、様々な波紋を呼びトランプ大統領をはじめ相当の反発もあった。
その反発に対して、グレタさんは怯むことなく「気候変動」をキーワードとして、環境問題に対して次々と声を上げている。
それは先日あった「ダボス会議」でも、同じだったようだ。
というよりも、今回の「ダボス会議」の最注目人物だったのはグレタさんだった、というのは間違いないだろう。

高齢の政治家にとって、グレタさんの存在は「目の上のたん瘤」のような存在になりつつあるようだが、グレタさんが投げかけた「問題」に対してビジネスの世界では徐々に動きがあるようだ。
それが「グリーンエコノミー(=環境問題を考えた経済)」という、今までの「循環型経済」よりもやや歩みを進めた「自然と協調する経済」ということになると思う。
25日の日経新聞などでも、同様の内容の記事が掲載されている。
日経新聞:「グリーンスワン」が迫る変革 ダボス会議閉幕 (会員有料記事の為、一部のみ)

「グリーン・スワン」と経済については、ブルームバーグに分かりやすい記事があったので、そちらを参照していただきたい。
ブルームバーグ:気候変動で世界的な金融危機もーBIS論文「グリーン・スワン」警告

ブルームバーグの記事のように、欧州諸国では「気候変動」をはじめとする環境問題は、既に経済・金融の問題として考えられるようになってきているのだ。
それはダボス会議に出席をしていた、ドイツのメルケル首相の発言からも良く分かる。
NHK:独首相温暖化をめぐる対立に懸念表明 ダボス会議

残念ながら、トランプさんだけではなく日本の政治家もこのような「気候変動が引き起こす経済・金融リスク」について、危機感を持っていないように思える。
政府として興味が無くても、グローバル化している経済の視点で考えれば、積極的に動き始めている欧州諸国と同調せざる得ないのではないだろうか?
日経新聞:グリーンに秘めた野心、欧州、環境で政治を動かす

日本について考えると問題となるのは、遅々として進まない「東京電力福島第一原子力発電所事故」の後始末や、この事故によって再稼働することになった「火力発電」などにより、決して「気候変動」対応に関して積極的な動きを示している、とは言えない状況にある。
かといって雨後の筍のように乱立する「太陽光発電」に関しても、周囲の景観や管理などの問題がクローズアップされるようになってきた。
このような状況を見ると、戦後の無策の都市計画と同じ轍を踏んでいるようにも思える。
民間主導で、グリーンエコノミーを推進する、ということは悪いことではないと思うのだが、それを主導するべき政府の対応が後手後手になっているような気がするのだ。
それだけではなく、雨後の筍状態で増え続けている「太陽光発電」そのものに対しても「太陽光発電で、儲かります」という目先の利益をちらつかせることで、増え続けているのでは?という、気がしてくるのだ。

そう考えると、やはり欧州が一歩も二歩もリードしているような気がするし、このリードが、日本経済に打撃を与える可能性もあるようにも感じている。
その危機感が、日本政府や日本企業にどれだけあるのだろうか?