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トヨタのスマートシティー、ソニーの自動運転自動車・・・未来はどうなるの?

2020-01-08 11:44:49 | ビジネス

昨日、日経だけではなく新聞各社のWEBサイトに掲載されていた、トヨタがスマートシティー参入とソニーの自動運転自動車の開発。
正直、驚く内容だった。特に、ソニーの自動運転自動車は、「まさか!ソニーが自動車?」という印象を持たれた方も多いのではないだろうか?
日経新聞:トヨタがスマートシティー参入 CESで発表

日経新聞:ソニー、自動運転をCESで披露 20年度に公道実験

高齢者社会が決定的な日本において、スマートシティーという構想は必要なことだと思っている。
何故なら、高齢者が自由に行動し「その人らしさ」を失わずに生活をする(=QOL)ということが、ますます重要になってくると考えられるだけではなく、「健康」という視点でも生活者の急激な体調変化に対応し、救急医療を充実させるという意味でも、「スマートシティーによる生活者のネットワークケア化」ということは、ますます注目されると考えられるからだ。

トヨタは3,4年ほど前から「MaaS」による都市のネットワーク化に対して積極的な姿勢を打ち出していた。
それを具体的な「街づくり」として発展させたのが、今回CESで発表した、ということになると思う。
選ばれたのが静岡県の裾野市というのも、元々トヨタの閉鎖した工場があったところなので、自治体としても受け入れやすい、という環境があったはずだ。
それだけではなく、トヨタ本社からも東京からも比較的近いので、実証実験の場所の利便性ということもあったはずだ。
というのも、このような「MaaS」を中心とした都市システムを必要としているのは、過疎地なのでは?と考えているからだ。
しかし、いきなり過疎地で実証実験するにはリスクがある、と判断したのでは?という、気がしている。

トヨタのスマートシティー構想よりも驚いたのは、ソニーの「自動運転自動車」ではないだろうか?
何故なら、これまでのソニーの事業領域と自動車は全く合致するところが無いからだ。
強いて上げるなら、「AIBO」だろうか?
ソニーは、数年前に業績不振からパソコン事業を切り離している。
その後のソニーは、エンターテイメント事業関連に力を入れていた、という印象すら持っていた。
4Kなどのテレビに関しても、「ソニーが提供するエンターテイメントをよりよく楽しむ為」の道具の一つなのでは?という、気がしていたのだ。
だからこそ、GoogleのようなIT関連企業が積極的な「自動運転の自動車」の開発に積極的であった、ということに驚いたのだ。

ただ、ソニーが「自動運転」の構想を以前から持っていた、とすれば納得できる部分もある。
それは、半導体の昨年前半期の売り上げでソニー1社だけが伸びていたからだ。
マイナビニューステクノロジー:2019年上期の半導体企業ランキングTOP15-プラス成長はソニー1社のみ

AIやIOTの技術の中心の一つは、おそらく半導体だろう。
だからこそ、AppleやGoogle、Amazonなどが半導体事業に興味を示している、という話を以前聞いたことがある。
そのAIやIOTの一つが「自動運転の自動車」だと考えれば、ソニーが目指しているのは「自動運転」だけではなく、エンターティメント事業との関連を含めた「生活の変革」だとも考えられる。

ただ、AIやIOTの進化が私たちの生活を豊かにするのだろうか?という、疑問もある。
というのもAIやIOTの進化により「人がああしたい・こうしたい」という考えを先回りをして、AIが行ってしまう可能性がある、と言われているからだ。
人とAIの大きな違いがあるとすれば、それは「考えること。想像と創造すること」だと思う。
その中の「考えること」さえ、AIが取って代わるようになれば、人はどんどん「考える」という面倒臭いことを止め、自己欲だけが膨らむようになってしまうのでは?と、危機感を覚えるからだ。