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「新型コロナウィルス肺炎」と中国人観光客

2020-01-30 19:46:35 | アラカルト

昨日、中国の武漢から日本政府が用意したチャーター機で、邦人200名あまりの方が、帰国した。
一旦「新型コロナウィルス肺炎」の罹患の有無をチェックしたのち、2週間程度の外出禁止及び体調変化の報告、という措置が取られた。
そして今日も、同様のチャーター機で帰国された方々がいる。

昨日帰国された方の中には「やっと帰国できて、ホッとした」とインタビューに応えていた方がいらっしゃったことなど考えると、武漢での生活そのものが不安と緊張のあるものだったのだろう、と想像できる。
ホッとしている方がいらっしゃる一方で、「新型コロナウィルス肺炎」に罹患していることが、判明した方もいらっしゃる。
中国で入院している邦人の方は、重篤な状態である、という報道もあった。

この「新型コロナウィルス肺炎」の記事が、新聞などに掲載されるようになり、「感染者が見つかった地域と、罹患者数」というデータを見ると、様々なモノが見えてくる。
AFP:新型コロナウィルス、感染者が確認された国と地域 (2020年1月30日現在)

例えば、現在の中国人にとっての「海外旅行」のトレンドは、タイなどのようだ。
帰国した邦人からの感染が認められたことで、患者数が増えてしまったが、武漢からの旅行者という数字でみた時には、フランスでの罹患者数が、一時期日本より多かった。
春節で、タイのような近隣諸国に旅行に行く、ということはわかるのだが、フランスやオーストラリアのような中国からそれなりの距離がある国々での罹患者が、日本より多いということは、今の中国の人たちにとって「日本」という国への観光よりも、フランスやオーストラリアのほうが興味がある、とも読み取れるのだ。

と同時にそれは、中国人観光客の生活者層が変わってきている、ということも考える必要があると思う。
これまで海外旅行に縁のなかった、中国の中流階層の人たちが、LLCのような飛行機会社を利用して、観光来日をしている、とも考えられるのでは。
不謹慎かもしれないが、このような時だからこそ、このデータから見えてくる「中国人観光客の実態」とも、読み取れるような気がしている。