日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本でユニークな発想の企業が生まれないのは、何故だろう?

2020-01-15 12:16:36 | ビジネス

朝日新聞のWEBサイトをチェックしていたら、懐かしい企業の名前が出てきた。
朝日新聞:元ライブドアの企業支援家「貪欲であれ、高貴であれ」

「元ライブドア」というと、社長の堀江貴文さんを思い浮かべる方が多いと思う。
私もその一人だ。
冷静に考えてみれば、「ホリエモン(堀江さん)=ライブドア」の印象が強すぎただけで、ライブドアという企業には、様々な人達が働いていたはずだ。
「元ライブドア」という冠がつく、ビジネスパーソンがいらっしゃっていてもおかしくはないし、ビジネスの思考が堀江さんと同じでなくても、当然だ。

もう一つ、「IT企業=シリコンバレー」という、思い込みを持っていたことにも気づいた。
今や音楽を聴くスタンダートとなりつつある「ストリーミング」サービスの先駆者的企業・Spotifyや、グローバルビジネスに欠かせなくなりつつある「スカイプ」が、シリコンバレー発の企業ではなく北欧の企業であった、という点だ。

記事にあるようにシリコンバレーという地域の中では、ITを使った新しいサービスの発想が、出尽くしてしまったのかもしれない。あるいはシリコンバレーという「ムラ社会」が、新しい発想を生まれにくくしているのかもしれない。
何故なら、日々の生活スタイルが似通ってしまうと、発想や思考も似てきてしまう傾向があるからだ。
そう考えると、今の日本の社会はイノベーティブな発想や思考が、生まれにくい環境にあるのでは?という気がする。

理由として挙げられるのは、「横並び志向」という社会志向や、「減点主義」という「失敗することが悪い」という思考だろう。
「出る杭は打たれる」という言葉には、「目立ちたがり屋は組織の歩調を乱す」ということを指している。
だからこそ「杭を打たれないように、横並びでいることのほうが重要」という、萎縮した思考に陥りやすい。
「減点主義」によって、「冒険をするよりも、前例に従う」ほうがリスクは少なく、大きな成功は期待できなくても、わずかな進歩ができるという思い込みが生まれると思う。

このような社会文化の中では「破壊的イノベーション」などが、起きることはほとんどないだろう。
昨日エントリした「日本経済の縮小」は、まさにこのような「横並び志向」や「減点主義」という、日本社会文化の根底にある思考や思い込みによるところが大きいのでは?ということなのだ。

これまでのような「企業利益の拡大=社会の豊かさ」という時代ではない。
「内部留保」を増やし続けても、市場そのものが縮小してしまえば、企業は利益を求めることもできなくなる。
最低賃金の問題だけではなく、「社会の不便」に目を向け・変えていくという思いを、ビジネス経験が豊富な人たちが支えていくような「社会的しくみ」が、必要なのではないだろうか?