日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

SNS上に表示される広告を、スルーするのはもったいない

2021-06-11 18:49:02 | ビジネス

LINEやTwitterなどを利用されている方は、老若男女に関わらず、増えていると思う。
そのため、様々な広告がSNS上に表示される事になる。
その中で一番多いのは、美容系の通販だという気がしているが、ゲームの広告や健康関係の広告などが表示される場合も、決して少なくはない。

興味のない広告などは「削除」ということになるのだが、先日「削除」しようと思って画面をよくよく見たら、「ムゥ~~~ッ」と、考えてしまう広告が表示されていた。
それは「China Eastern Italy」という広告表示だったからだ。
「中国東方航空・イタリア事務所」の広告だろう、ということは分かる。
ただ、この広告表示を見て、なんとなく気持ちがザワザワとしたのだ。
「言い知れぬ嫌な感じ」と言ったほうが良いのかもしれない。

というのも、このサイトにある広告動画を見ると、欧州(おそらくイタリア)の子どもが、初めて中国を旅行し喜んでいる」という内容だったからだ。
この広告が悪いというのではなく、中国の欧州における戦略のようなモノを感じたからだ。

ご存じのように、中国に対する風向きは決して良いものではない。
それは「香港・ウィグル自治区」への弾圧による人権問題(当然だが、「チベット問題」も含まれる)、「全国人民代表大会(通称「全人代」)などで発表される中国政府の政策などに対して、危機感を募らせているのが米国や欧州だからだ。
中国が経済的力を持つようになればなるほど、米国や欧州(旧西側諸国)は危機感を募らせている、という印象が強くなってきている(ように感じている)。

そのような米国や欧州での政治的動きを見た時、「市場としての中国。世界の工場・中国」としての魅力は無くなり、経済や軍事などにおける「脅威」と感じ始めているのでは?という印象があった。
そのような政治状況の中で、「中国のイメージアップ」としての「イタリア旅行のお誘い」というよりも、中国が積極的に世界のエアラインの中心になりたがっているのでは?という、気がしたのだ。

そう感じさせたのは、中国東方エアのイタリアが広告を出している、という点だ。
「新型コロナ」の世界的感染拡大により、世界のフラッグキャリアと呼ばれる航空会社(だけではないが)は、大打撃を受けている。
その中でもイタリアの航空会社・アリタリアは、「新型コロナ」が感染拡大する前から経営不振に陥り、国営企業となっていた。
そこに、追い打ちをかけたのが世界的感染拡大となった「新型コロナ」だったのだ。
このような状況を知ると、イタリアのフラッグキャリアであるアリタリア航空の凋落に合わせて、中国の中国東方エアが、積極的にイタリアで動き始めているのでは?という、気がしたのだ。

もちろん、私の個人的予測でしかないし、自由経済を標榜する経済圏であれば、どのような企業がどのような国に進出しようと、アレコレ言われる筋合いはない。
だが、フラッグキャリアと呼ばれる「半官半民」企業の凋落に合わせて、積極的な広告を打つという意味を、考えると中国の航空業界における政策のようなモノを感じてしまうのだ。

SNSの広告に表示された情報というのは、決して多くはない。
だが、多角的な情報を得る事で、その広告の先にある戦略的なモノを感じ取れるのではないだろうか?