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日経新聞Webサイトの「Think!」マークに注目したい

2021-06-30 17:37:28 | ビジネス

しばらく前から、日経新聞のWebサイトに気になる「マーク」が付けられるようになった。
そのマークとは「Thin!k」というマークだ。
例えば、今日テーマとして取り上げようと考えていた「カーボンプライシング」の見出しに「Think!」と、小さくマークがついている。
日経新聞:カーボンプライシング、世界に導入の機運 EU先行追う中国

記事そのものは、会員記事なので全文を読むことはできない。
ただある程度の内容を把握することはできる。
「会員記事」については、また機会を考えてエントリをしたいと考えいるのだが、なんとなく日経に限ってはこの「Think!」マークの会員記事は、これまでのような「報道」としての記事ではなく、書き手となる人による①情報収集、②情報の分析、③それらから考えられる事柄、という内容をまとめた記事なのでは?という気がしている。
だからこそ、「Think!」の右わき「多様な観点からニュースを考える」というコメントが、必要なのだろう。

さて、カーボンプライシングについてだが、10年ほど前から「排出量取引」によって、先進諸国が「温室効果ガス削減目標」を果たそうという動きがいわれてきていた。
最近では、東京オリンピックがこの「排出量取引」によって、「東京オリンピック、CO2排出量実質ゼロ」という組織委員会が発表したことで、再び注目をされるようになった。
東京新聞:東京五輪、CO2排出実質ゼロに 取引制度で273万トン相殺

記事の中で使われている言葉は「カーボンオフセット=CO2排出取引」だが、カーボンオフセットそのものが、「カーボンプライシング」の方法の一つなので、このような方法で「東京オリンピックは、地球環境に優しいオリンピック」というアピールとなっている。
この「カーボンオフセット」そのものは、CO2 削減を努力目標とはするが、果たせない場合はCO2削減対象に投資をする、という意味なので、「東京オリンピックで排出されるCO2が”0”になる」という意味ではない。
だからこそ、このニュースを見た人達がYahoo!等に手厳しいコメントを出したのだ。

東京オリンピックの「排出量取引」に対して、手厳しい意見が出ても先進諸国の「地球温暖化対策」の切り札として、この「排出量取引」を主な対策として掲げるのには、理由がある。
大きな理由として挙げられるのが、「化石燃料依存」からの脱却に時間を要する、ということだろう。
ヨーロッパ諸国が「循環型エネルギー」の利用を増やすと言っても、その為の設備や安定供給という点では、まだまだ課題が多いからだ。
中国が積極的なのは、自国そのものの「公害対策」という面も、大きいはずだ。
事実、「電気自動車」に積極的なのは、中国でありそれに追従するかのように、日本や欧州の自動車メーカーが「電気自動車の市販化」に動いている、というのが現状だからだ。
米国に対しては、トランプ政権によって「温暖化対策」が大幅に後退してしまったことから、これから先、バイデン政権でどれだけ巻き返すのか?という点が、注目となるはずだ。

日経新聞のWebサイトの「Think!」というマークは、このような複数のニュースから、様々な視点を持って「考えた記事」ということなのだと思う。
そしてこのような「Think!」というマークが付けられるようになった背景には、「情報を集め・分析し・編集し・考えを構築する」ということが、「新聞」に求められるようになっている、ということだと思う。
しかしそれは、新聞だけに限らずビジネスパーソンとして求められる「基礎」なのではないだろうか?