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経済学者が、自分の利で発言するのは、いかがなものかと…

2021-06-06 20:16:09 | 徒然

我が家にはテレビそのものが無いので、今日放送された「そこまで言って委員会NP」という番組そのものを、よく知らない。
知らないのだが、ネット上で話題になるので番組に出演されているコメンテーターの方々の、ややもすると過激は発言が受けている番組なのかな?と、思っている。

その番組で、竹中平蔵氏の「東京オリンピック」に関する発言が、ネット上で話題になっている。
デーリー:竹中平蔵氏 尾身会長の五輪発言を批判「明らかに越権」「ひどい」

この「越権・ひどい」と批判した尾身さんの発言というのは、政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」での発言であったことを考えると「パンデミック状態になっている今の状況で、オリンピックを開催することは、感染症対策分科会として、問題である」という立場で国会で発言されたモノだろう。
とすれば、尾身さん側とすれば「越権」でも何でもなくて、現状を話したに過ぎなかったのでは?という、気がしている。
そしてそれは、多くの国民が感じている「危機感」や「恐怖感」だと思う。

竹中氏は「東京オリンピック・パラリンピック」を開催することで、様々な利益を受ける立場にある。
何故なら、竹中氏はパソナの会長で、先月末「東京オリンピック・パラリンピックに派遣される、東急エージェンシーやパソナに対する厚遇」が、問題になったばかりだからだ。
AERA dot.: 「東京五輪の日当は35万円」国会で暴露された東急エージェンシーやパソナへの厚遇

番組の収録がどのくらい前であったのか?という時間的な差もあるとは思うのだが、尾身さんの話が3日前であったことを考えると、今回の竹中氏の発言は「自分の利益を守りたい」という発言と捉えられても仕方ないように感じるのだ。
まして竹中氏は、元々経済学者だ。
「経済」を教える立場にある人が、「自分の利益を優先させている」と捉えられても仕方のないような発言は、いかがなものだろう。
既に「経済学」は教えておらず、実業家としての立場なのかもしれないが、とすれば、益々問題のような気がするのだ。

オリンピック・パラリンピックのスポンサー企業がこぞって、無言を貫いているのは、ご存じだと思う。
それは「開催する・しない」の発言をすることで、企業に与える社会的見方が大きく変る、ということがあるからだ。
もちろんスポンサー契約の中には、「オリンピック・パラリンピック開催などについての発言をしない」等の条項が、盛り込まれているかもしれない。
盛り込まれていないとしても、スポンサー企業として不用意な発言は企業にとってダメージを与える、という認識があるからこそ、無言を貫いているのだ。

スポンサー企業の慎重な態度とは正反対の態度を、オリンピック・パラリンピックによって利益を得る立場のトップがしたとすれば、やはり問題だと思うのだ。
まして「経済」を教える立場にあった人物が、今一番求められている「経済の考え方」と真逆な、「自己益優先」ともとらえられる発言は、経済学者としても実業家としても、問題だという気がしている。