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新しい百貨店のあり方?

2011-11-15 18:41:01 | ビジネス
ご存知の方も多いと思うのだが、「小売の雄」といわれてきた百貨店に元気が無い。
「元気が無い」と言っても、ここ2,3年の話ではない。
バブルが崩壊して以来、ズッと「元気が無い」といわれ続けてきた。
その百貨店の元気が失われてから、大手スーパーやコンビニが、小売の主役となってきた。
しかしながら、それらの「小売の主役」もあまり元気が無いように感じている。

そんな百貨店だが、毎週のように定番の新聞折込は入ってくる。
その多くは、バーゲンや物産展などの催事のお知らせだ。
ただ最近、ちょっと変わった内容が掲載されるようになってきた。
それが「(百貨店内)コラボレーション弁当」

「(百貨店内)コラボレーション弁当」というのは、百貨店の地下食料品売り場のお惣菜屋さんやデリカ、おにぎりやおこわなどのお店が、それぞれ「旬のもの」を持ち寄って、一つのお弁当を作る、という企画。
価格設定も「ワンコイン・500円」のものもあれば、高級惣菜店が中心になって作る「行楽弁当2,000円以上」のものまである。

これまで百貨店の地下のお弁当というと、入っているお店ごとのお弁当だけしかなかった。
「このおにぎりに、あのお惣菜とそっちの揚げ物」という組み合わせをしようとすると、お店を渡り歩き、必要以上の量を買い、それぞれのお店の包みを百貨店の袋に入れて持ち帰るという方法しかなかった。
でも、このような「コラボレーション弁当」であれば、「食べたい分だけ、食べたいお店のものが食べられる」。
理想としては、お弁当箱持参で本当に少しづつお店を渡り歩きながら、自分の食べたいものを集めて「自分のお弁当を作る」と言う方法だが、それでは衛生面で問題があるだろうし、百貨店そのものも受け入れがたいだろう。

考えてみれば、百貨店の魅力というのは「ワンストップで、ものが揃う」というコトなのではないだろうか?
たとえば、アパレルのフロアーには様々なブランドのお店が入っている。
でも、買う側としては「このブランドのスーツに、あちらのブランドのブラウス、靴はお気に入りのブランドがあるから、そこで!できれば、バッグも見たいな~」と考えていても、それを一緒になって選び、コーディネートのアドバイスをしてくれるようなシステムにはなっていない。
なっていない、というよりもバブル期以降、百貨店には各ブランドから派遣された社員さんが常駐しているため、違うブランドの商品を選びたくても選べない、選びにくい、という状況になっていて、それがとても買い物し辛い状況をつくりだしていたのではないだろうか?

「(百貨店内)コラボレーション弁当」のチラシを見ながら、本当の百貨店の魅力って?というコトを改めて考えさせられたと同時に、ブランドや売り場の垣根を越えた顧客一人ひとりに向けた提案力のある販売、という百貨店本来の姿に戻る必要があるように思う。


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