日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業のもう一つの使命

2011-11-08 20:17:47 | ビジネス
新聞各社のWEBサイトに、ホンダの「アシモ」の記事と動画が掲載されている。
ご存知の通り「アシモ」は、世界で初めて2本足で立ち、歩くことができた人型ロボット。
その原型は、もちろん「アトム」であろうというのは、想像できることだろう。

その「アシモ」の登場によって、自動車メーカーだけではなく様々な製造メーカーが「人型ロボット」の開発に乗り出した。
時期的には、丁度バブル全盛~崩壊へと向かう頃だったような記憶がある。
その後、バブルが崩壊しても企業の多くは「人型ロボット」の研究・開発を続けていたようで、5年ほど前に開催された「愛知万博」では、相当リアルな会場案内をするロボットや楽器演奏ができるロボットなどが、デモンストレーションとして登場し、話題にもなった。

そんな中でもやはりホンダの「アシモ」の存在は、とても大きいような気がしていた。
やはり「世界に先駆ける」という、企業のチャレンジ精神を具現化しているからだろう。
そんな「アシモ」の成長は、実は様々な技術開発の集積でもある。
そして、今日ホンダが発表した「災害時用アームロボット」は、その「アシモ」の成長過程で作られた技術でもあった。

このように考えると、企業の使命の中には「未来をつくる」というコトもあるのでは?という、気がしてくる。
もちろん、企業として「生活を豊かにする」とか「社会に貢献する」といったことは、とても大切なことだ。
それによって、企業は収益を上げ、企業そのものが存続できるのだから。

しかし、それとは別に「未来をつくる」とか「夢を描く」といたことも、とても大切な使命という気がしたのだ。
考えてみれば、日本の企業はその高い技術力と開発力で、世界をリードしてきた。
しかし今、一番ワクワクさせる企業の一つは、appleだろう。
スティーブ・ジョブズを失ったことは大きいが、それでも今のところappleほどワクワクと未来を感じさせてくれる企業は見当たらないような気がする。
「appleの魅力」と言っても過言ではないと思う。
だからこそ、今の日本の企業にかけている使命という気がするのだ。

「夢で飯は食えない」というコトは十分わかるのだが、その夢が描けないことで企業内だけではなく、市場も社会全体も沈滞ムードになってしまっているのではないだろうか?
「アシモ」の開発における技術開発や研究は、決して「人型ロボット」を作るという目的だけではないと思う。
現に、ホンダが今まで手がけていなかった、「災害用アームロボット」の開発へと結びついている。
手話ができたり、水筒から紙コップにジュースを注ぐなど、人が当たり前にできることをロボットがすることで、様々な場面でのロボットの活用が見込まれるはずだ。
とすれば、「夢を描く」コトで広がるモノ・コトがたくさんあるはずなのだ。
と同時にそれは、その企業の大きな魅力となっていくのではないだろうか?
日本の企業が生き残るためのモノ・コトを、今日の「アシモ」が見せてくれたような気がする。


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