日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

投資と経営

2006-05-03 22:29:57 | ビジネス
阪神に対する村上ファンドの提案が、昨日公開された。
事前に提案書を渡しておきながら、「2日の午後開封してください」という但し書きつきだったようだ。
「2日の午後であれば当日の株価に影響は出ないし、GWで来週の月曜日まで株価が動くことは無い」と言う目論みがあったのだろうか?
それにしても、今回の村上ファンドサイドの提案は「経営」に関わる事項が含まれているコトが、阪神側だけではなく名前があがった社外取締役員にも動揺をひろげている。

阪神タイガース球団そのものは、既に村上ファンドの提案に不快感を示している。
球団だけではなく、選手も不快感を示している。
おそらくファンも不快と感じているのではないだろうか?
「阪神」という企業を取り巻く様々な人達が、不快感を示すと言うことは決して、村上ファンドの言う「企業価値が上がる」という要素はこの提案には無かったことになる。

投資目的であれば、単に株価が上がれば問題は無いだろう。
それが経営となれば、株主だけではなく企業を取り巻く様々な人達の「利益」ということも、考えなくてはならない。
まして電車などの公共性の高い事業を主体としているのであれば、企業利益だけを追求することは出来ない。
昨年起きた、JR西日本の列車脱線事故のような「あってはならない事故」に対する設備や人的投資が必要なのだ。
それらが、直接的な利益と結びつかない場合のほうが多いのだ。

村上氏の考える「企業価値を上げる」というのは、「株価を上げる」ということであれば事業そのもののあり方を考えるべきなのだ。
村上ファンドの企業価値を上げると言うことは、M&Aなどによって村上ファンドが利益をあげ、それを投資家に還元することなのだろう。
でも、その考えが総ての企業に当てはまるとは限らないのだ。
そのことを村上氏は、どれだけ理解しているのだろう?

牛乳に復活の日はあるのか?

2006-05-02 21:58:04 | トレンド
生産過剰となっていた牛乳の廃棄が3月から始まった。
牛乳好きの私にとっては、哀しい。
牛乳だけではなく、緑茶も大好きで口にしないのは炭酸系飲料水。
牛乳の主な生産地である北海道では、何とか牛乳離れを食い止めようとイロイロ策を練っているようだ。

そのひとつとして、今日の毎日新聞WEBサイトにペットボトル化ということも検討しているとある。
以前、何かの本(雑誌だったかも知れない)で、アメリカの牛乳パックについて読んだことがあった。
元々は、牛乳パックと言うのではなくアメリカの紙パッケージを作る団体が、何とか消費を伸ばそうと、アメリカ人の大好きな牛乳に目をつけたという話なのだ。
それによると、一般的アメリカの牛乳ボトルはプラスチックで出来た、ガロン単位の大きな容器。
それを、半分の紙パックサイズにしておくことで新鮮さが保たれ、牛乳の栄養素も店内の照明などに影響されずに済むことが、ポイントとなって大手スーパーを中心に紙パック牛乳の売上を伸ばすことに成功した。という内容だった。
もちろん、そのために栄養学の権威と言われる大学教授などを、パブリシティに起用したりしたと言うのは、言うまでも無い。

では、今の日本の状態はどうなのだろう?
記事を読むと、牛乳の主な消費先は学校給食。
家庭で飲むのは、朝食の時くらいらしい。
これでは、消費は伸びないだろう。
また、牛乳に含まれている脂肪分が太る・高コレステロールと言うイメージが強く、豆乳のような健康志向的イメージとはなっていないようだ。
個人的には、豆乳も牛乳も同じように愛飲しているので、それ程の差は感じられない。
ただ、豆乳を飲むと牛乳よりも満腹感が強い程度だ。

むしろ、記事にあるペットボトル化というのには、やや疑問を持つ。
と言うのは、アメリカのガロンボトルの件もあるのだが、「緑茶のペットボトル化で売り上げた伸びたから牛乳も」と言う、発想に違和感があるのだ。
ペットボトルの最大の利点は「携帯性」にある。
緑茶の場合、若干時間が経ってもある程度美味しく飲むことができる。
ジュースなどと違い、口に甘ったるさも残らない。
いつでもどこでも喉を潤すのには、もってこいの飲み物と言える。
それに比べ、牛乳を飲む生活シーンに「携帯性」があるのだろうか?
そして何よりも「一番美味しい牛乳」は、程よい冷たさではないだろうか?
生ぬるい牛乳は、美味しそうではないし衛生面でも不安がある。
それよりも、牛乳の栄養面+本当の美味しさという提案をし、牛乳の脂肪分が太ると言う安易なイメージを払拭したほうが、よいのではないだろうか?
もちろん、事業団体や牛乳を製造販売しているメーカーなどのHPには、それらのことがシッカリ掲載されてはいるのだが・・・。

「カレーパンと牛乳」と言う組み合わせはオジサン世代には人気があるし、調理パンなどとも相性が良いという印象がある。
他にも、あんぱんやビスケットにも牛乳は欠かせない(と思っている)。
ドライフルーツ入りシリアルを、牛乳の販促アイティムとして朝食の提案をすることも、ひとつの方法かも知れない。
そして、これまでのように「成長=子供に牛乳」ではなく「大人も牛乳」というアプローチやイメージ作りが必要なのではないだろうか?
昨今の化粧品には「ミルクプロテイン配合」を謳い文句にしている製品もあるし、牛乳石鹸と言うメーカーもある。
牛乳そのものを「飲む」コトが、消費拡大の一番の方法だとは思うのだが、化粧品などへの利用なども、積極的に考えることも大切なのではないだろうか?

いただいたTBへのお返事

2006-05-01 21:13:13 | アラカルト
だいぶ前にエントリーをした「使うエコ、作るエコ」に新しい、トラックバックをいただいた。「佐藤秀の徒然・・・」の佐藤秀さん、ありがとうございます。
私もテレビのニュースでチラッと見た「東京油田開発」について、詳しく述べられている。
「東京油田開発」と言っても、東京のど真ん中で油田が発見されたとか、採掘計画があると言うのではない。
家庭やファーストフード店、料理店などから出る調理後の廃食用油を利用して、クルマを走らせる。というプロジェクトの名前なのだ。
ファーストフード店や、料理店から出る調理後の廃食用油の量は「多いだろうな~」と、単純に想像できる。
ところが、家庭となると・・・自分の家庭でしか考えられないので余り多いというイメージが湧かない。
でも、全世帯数となるとファーストフード店や料理店を遥かに凌ぐ量の廃食用油を出していると言うことになる。

今から、10年以上前「家庭廃食用油からせっけんを作りましょう」ということが、話題になった。
実際、「せっけんキット」なるモノも「自然食品」を扱うお店などにも置かれていた。
それが、新たな問題となったという記憶がある。
結局のところ「廃油は廃油」ということなのだ。
以来、一般的廃食用油処理は溶剤などで固めて捨てるか、新聞紙や雑誌に吸わせて捨てるということになった。
我が家でも、新聞紙に吸わせている。

それに比べると、今回の「東京油田開発」は、いくつかのメリットがあると考えられる。
ひとつは、廃食用油のリサイクル。
もうひとつは、ガソリンに頼らないクルマ社会への転換だ。
特にこのGWは、相次ぐガソリンの値上げで、家計は大変!というニュースもある。

「エコロジーカー」と言うと、メーカーが出している「ハイブリッド車」を思い浮かべるが、身近な「エコロジーカー」の開発と言うことにも力を入れて欲しい、と感じた。
例えば、バスなどの場合、廃食用油を持参した人は運賃を割安にするとか、ポイント制にしてポイントに応じてバスの回数券を発行することで、廃食用油の回収をしやすくし、尚且つ利用者にメリットを与えると言うことがあっても良いのではないだろうか?

もうひとつは「銀行の二つの顔」へのトラックバック
「コラムニスト宣言」の吉本 俊二さん、ありがとうございます。
常々いわゆる「金融商品」といわれる商品は、「良く分からない」という印象がある。
特に免責事項などは、文字も小さく専門用語のオンパレード。
結果、営業担当者など任せっきり、言いなり状態となってしまうのだ。
トラックバックをいただいた内容をよく読むと、今回の三井住友銀行のやり口が余りにも自己利益追求なものであったとわかる。
まるで「欲望追求が、企業使命」という気がしてくるほどだ。
メガバンクを頂点として、今銀行はあの手この手で「お金を借りてください」と生活者にアプローチしている。
「お金を貸す前に、投入された税金を返して欲しい」そう思っている生活者は、少なからずいるのではないだろうか?
「盗人に追い銭まで取られる」という言葉が、思い浮かんでしまうのだ。

地味な拙ブログにトラックバックをいただくことで、様々な情報や知識を与えて頂けることに、感謝します。
ありがとうございます。