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【G3X撮影速報】百里基地ラファール日仏共同訓練【6】C-2輸送機とラファール戦闘機の並び(2024-07-19)

2024-12-21 20:23:32 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■ラファール戦闘機
 この写真を撮影した七月の暑さはもう雪が舞うこの季節になると昔話のように思えてくるのですけれども。

 ラファール戦闘機が誘導路をすすみます、が、驚いたのはこのラファールが一旦停止してくれたことでしょうか。ラファールも難産の戦闘機でしたが、感心するのはフランスがよくここまで育て上げたという、なにか郷土愛を戦闘機から感じる。

 ラファールの初飛行は1986年、自衛隊の後継機研究が始まったT-4練習機並みに古いのですが、初飛行の時点でエンジンをスネクマ社が開発できず、仕方ないのでアメリカのF/A-18CホーネットとかとおなじF-404エンジンを二つ積んで初飛行した。

 クレマンソー級空母に搭載するという関係で、小型、この小型というのは実際に見なければ気づかないほど大空では堂々としているのが印象なのですけれど、ここからスネクマ社製M-88エンジンを開発するまで難産で、運用開始はなんと2000年だ。

 RBE2/AESAレーダーを搭載している関係で定義としては先進的なのだけれど機首のレドームの大きさからアンテナ素子を十分な数ならべることができず、一応40目標を同時追尾でき8目標に対処できるものの、探知距離には顕界があるともいわれて。

 AESAレーダーですのでアップデートがしやすく改良型のRBE2-AAレーダーは探知距離が50%延伸したと言われるのですが、開発当時はアメリカのAMRAAMに匹敵するMICA空対空ミサイルを搭載できる点も強みでした、ただ、MICAは発展性が続かない。

 MICAは開発当時こそAMRAAMに相当する射程、つまり80kmというかなり長い交戦距離を誇りましたが、AMRAAMのほうがそのあと射程を70kmから100kmまで達して、今は170km先まで届くのですがMICAは改良型の開発が遅れて、性能が陳腐化してしまった。

 ミーティアミサイルが欧州共同ミサイルとして開発され、この射程が110kmあり、ラファールでも運用できるのでラファールが陳腐化したとかいう問題ではないのですが、要するにラファールは生まれた当時の優等生を維持するのに苦労していて。

 F3にF3.1とF4,ラファールの方はしかしそれでも新型と言いますか仕様変更型が次々と開発されていて、能力を第一線級としているのですが、機体が小型空母での運用を念頭としたためにどうしても小型すぎ、発展に大きな天井ができてしまったのだ。

 スカルプEG巡航ミサイルという射程550kmの巡航ミサイルを発射できますし、そしてこれは普段は使わないミサイルですがASMPという、名前だけは自衛隊が使っているASM-1っぽいんですが、射程250kmの核ミサイルを運用することができるもの強みで。

 ラファールは、性能云々よりも地元第一主義的なフランスが、最先端を自分たちでもなしとげられると信じて育て続けているというてんで、なにか、羨望ではないのですけれども、凄い戦闘機なのだなあ、とこう感慨深いものを受けてしまうのですよね。

 F-2より小さい。ただただ、こんなに小さい戦闘機だとは気づかなかった、というのが正直なところです。これは茨城空港から撮影したのですが、最初展望台からラファールはどこか、と探したのです、するとよく見たらF-2戦闘機のかげのぶぶんに隠れ。

 7月19日、百里基地にラファール戦闘機が到着した日です。F-2とおなじくらいの大きさの戦闘機だったのかあ、とまあ一種の感心といいましょうか、驚きとともに未だこの後到着するフランス軍機を撮影するために、展望台へ撮影位置を移動したのでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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