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E-2D早期警戒機初号機日本到着,新型レーダーでE-2C早期警戒機大幅に上回る航空機を自衛隊は9機導入予定

2022-11-01 07:01:15 | 先端軍事テクノロジー
■E-2Dがやってきた!
 E-2C早期警戒機の新型プロペラ改修が進む中ですが新しい航空機の話題です。

 航空自衛隊が導入するE-2D早期警戒機の初号機が10月18日、岩国基地へ到着しました。E-2D早期警戒機は航空自衛隊が三沢基地の第601飛行隊と那覇基地の第603飛行隊の二つの飛行隊で運用しているE-2C早期警戒機の増強へ用いられるもので、航空自衛隊は1979年にE-2Cを採用、現在に至るまで長期にわたり運用した実績ある航空機です。

 E-2D早期警戒機初号機は車両運搬船のオーシャングラディエーターがプラスティックコーティングし海上輸送しました。この機体はアメリカ海兵隊航空施設において最終点検を行い、引き渡されることとなります。E-2Cの改良型で形状もよく似ていますがレーダーはAESA方式となっている。自衛隊はE-2D早期警戒機を当面9機導入する計画となっている。

 9機のE-2Dは関連機材とともに31億3500万ドルで調達されることになっており、これにはT-56-A-427Aエンジン28基、予備を含め1APY-9レーダーを10基、AN/AYK-27統合ナビゲーションシステム30基、及びLN-251-GPS航法装置30基などが含まれています。今後自衛隊ではE-2Cの耐用年数限界等から更にE-2D調達を増大させる可能性もあります。

 E-2D早期警戒機の到着、初号機と二号機が到着したのですが、これは装備単体で考えますと非常に大きな防衛力の強化とはなります。一方で素直に喜べないという部分が有りまして、一時的ではあるのですが航空自衛隊はE-2C早期警戒機とE-2D早期警戒機にE-767早期警戒管制機という三機種の空中警戒機、三種類のレーダーを装備することとなります。

 E-767,そして留意しなければならないのは航空自衛隊にとり虎の子であるE-767早期警戒管制機のAPY-2レーダーの先が見え始めており、遠くない将来、恐らくE-7A早期警戒機を導入するかを検討しなければならなくなるのです、その背景として、アメリカ空軍がAPY-2レーダーを搭載するE-3早期警戒管制機の後継にE-7A早期警戒機を選んだため。

 E-3早期警戒管制機は2023年に半数に当る15機を除籍させる検討でアメリカ空軍はE-7Aへの置き換えを急ぐ方針ですが、APY-2のアメリカ軍での運用が終了しますと、能力向上等の開発契約を残るAPY-2運用国で行う必要が生じます、これはE-767の運用経費の増大も意味しますので、E-2Dの日本到着と共に日本は次の事を考えねばならないのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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