
松島では、船に乗るのが定番なのだが、ちょっと寒そうなので、パスして、今まで行ったことがなかった観瀾亭に行くことにした。

何気ない建物に見えるが、伊達政宗が、豊臣秀吉から拝領した伏見桃山城の一棟を品川に移築し、それを、二代目忠宗がこの地に移したものという。
観瀾というのは、さざ波を見るという意味らしいが、その名のごとく、松島湾を見事に見下ろすことができる。

抹茶をいただけば、中にあがることができる。松島湾を眺めながらの一服は、まさに殿様気分である。
部屋は二つ並んでいて、奥の部屋が、御座の間で、襖絵などは、いかにも桃山らしい豪華なものだ。

松島は、もちろん船から、島々の造形を楽しむのが、一番の楽しみなのだが、こうやって全体を楽しむのも風情がある。
観瀾亭の奥に、松島博物館がある。そんな凄いものはないが、青葉城にあったと言われる金箔の鳳凰図など、江戸時代の品々、伊達家にまつわるものが、展示されている。

観瀾亭から出たところに、松尾芭蕉翁旅館月見之館という碑があった。芭蕉翁は、塩釜から、船で、松島を巡り、ここで、宿泊したらしい。あまりの感動に句が浮かばなかったというが。ここから、さらに奥州の奥の細道に分け入って行ったのだ。