ボブ・ディラン自伝は、結構前に買ったが、まだ読んでいなかった。黄ばんでしまっている。紙質はよくない。
三部作の第一作というが、その後の二冊は、出たのだろうか?
自伝と思って読むと、びっくりするだろう。ふわふわ浮遊している感じで、時代も行ったり来たり、話題も行ったり来たり、登場人物も行ったり来たり。当時のドメスティックな話題も多く、注釈のない本書を理解できる人は、そう多くないだろう。
それでも、ディランが、自ら語ったということで、どこまで本当かわからないが、ディランを理解するのには、必須のアイテムとなっている。
ディランの名の起こりも自ら語られている。中山さんの本でも出てきたが、本人が語っているのだから、たぶん間違いない。
ビートルズが出て来るのは、2回。
最初は、1968年の社会情勢を説明する際、ビートルズがインドにいたと語っている。
2回目は、時代が下って、Do You Want Know a Secret? がラジオで流れてきた時の状況が語られている。
”ビートルズはわかりやすくてすばらしい。わたしはビートルズが登場した時のことをおぼえている。彼らは、ほかにはない親近感と仲間意識を感じさせるグループだった”と、述べている。賛美しているが、自分の分野ではないなという雰囲気も出ている。
最大の賛辞を送っているのが、ウディーガスリーと、ロバートジョンソン。ちょっと古い人で、どんな人かコメントできないが、ディランの音楽に大きな影響を与えたことは間違いない。もちろん、ジョーンバエズも出てくるが、業界の先輩として、さらっと出て来るだけで、それ以上のことは語られていない。リッキーネルソンも出て来る。もちろん、ロイオービソンも。
ディランが、ヘンリーフォードの家に住んでいたのは、初めて知った。トルーマンの演説を聞いたことがあるが、ケネディのは、すれ違いで、聞き損ねたということも。
フォークソングへのこだわり、プロテストソングへの関心が当初からあったことも語られる。エレキギターを、フォークギターに買い換えた場面も象徴的に語られている。
本書の分析本が必要?