石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

アレックス・カー

2007-06-06 00:07:40 | Weblog
初夏!!ですね~
梅雨入りも もう少し先で、吹く風が爽やかなこの頃。

日が長くなって 午後7時でもまだ明るいですね

すっかり夕食の用意が整ったのに 
遊びに行った子供達が 帰ってこず
まだかなあ~と外に出ると 夏の始まりの気配
私の大好きな 夏の夕餉待ちの時間

幸せを感じるひとときです

1冊 本を読み終えました
アレックス・カー「美しき日本の残像」

「美しき日本の残像」

アレックス・カーは京都府亀岡市在住のアメリカ人(1952年生まれ)
エール大学とオックスフォード大学で日本学と中国学を学んだ。
徳島県祖谷で萱葺民家を再生させる活動をしたり
京の町家で日本伝統芸術を紹介する場をつくったり
日本と東アジアの美術品を蒐集したり・・・と
通訳・文化コンサルタント・執筆など
多方面で活躍されている。

著書「美しき日本の残像」で第7回新潮学芸賞受賞
7ヶ国語に訳されている本だそうです。
アメリカ人 アレックスが書いたこの本、
翻訳本では ありません。
この難しい日本文化の本を日本語で書いたのだから
スゴイの一言です
文章も流れるようで 美しい名文です

前書きが 坂東玉三郎
解説が司馬遼太郎という豪華顔ぶれ

内容は・・・かなりシビア・辛辣なところも
たくさんありました。
でも・・
そのシビアな眼も 本当に日本のことを
愛しているからこそ出てくる厳しさだってことが
痛いほど わかるの

日本の文化や自然の美しさは世界に誇るほど
美しく気高いものだったのに
当の日本人や日本行政は そんなことに気付かず
不細工な街並みに変えてしまった 
と彼はいいます。

日本の国を不細工にしているものの最たるものは
張り巡らせた電線と パチンコ店だそう。
特に パチンコ店に対する意見は 大変厳しい
以下、抜粋します

遺跡をみることによって各時代の主流になった思想がわかります。
例えば、奈良時代には密教寺院、中世には禅寺
明治時代には汽車の駅が大きなモニュメントとして目立ちます。
そして現代は・・日本の田舎で一番高くて大層な建物は
パチンコ店になっています。
パチンコ台の前に座るのは現代の瞑想
パチンコ台の釘のならびは現代の曼荼羅
「現代の神殿」の駐車場に昼間から車が集まります。
一般大衆にとってパチンコ店は極めて重要な場所だと
いうことは言うまでもありませんが財界と行政にとっても
重要になっています。
日本一の大金持ちはパチンコ台製造会社の
社長だと言われたこともあるし・・・(省略)
パチンコ店は現代日本文化の根本大塔です。


・・・厳しいですね
あの派手な建物の外観、決して趣味のよいものでは
ないけれど 外国人からこんな風に指摘されると
情けなくなるな~
それと同時に 日本の美しさ・美点を残像でなく
取り戻したいって思う。

美しい風景も だんだん少なくなり
田舎でも コンビニやマクドナルド 回転寿司にホームセンター
どこも似たような街並みになってしまいました。

建築やまちづくりに関わっている方に 
是非読んでもらいたいような本でした。

世界に誇るべき日本文化を 伝えていきたいなあ

アレックス・カーさんの住んでらっしゃる亀岡の民家は
自然豊かな環境のなかで 東洋の美術品が
ところ狭しと並んでるそう
亀岡だったら近いから 一度覗いてみたいと
真剣に思ってしまった



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする