石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

十字架

2010-01-03 11:20:45 | Weblog
2010年 読み初め(?)最初の1冊は
重松 清「十字架」



新年まず最初に読む本にふさわしい 素晴らしい1冊だった。

次の日も休みという安心感から
涙でグチャグチャになりながら 一気に読んでしまった。

中学校2年生のときに クラスメイトの男の子が
いじめを苦にして 自殺をしてしまう。
遺書には 4名の同級生の名前が残っていた。
2名は いじめた首謀のふたり。
1名は 片思いの女の子。
もう1名は「親友」と銘打たれた「僕」。

話は、いじめられた子どもが自殺をした日から
20年にわたる「僕」の物語。

いじめて自殺に追いやった首謀者のふたりが主人公でなく、
「親友」と遺書にかかれた「僕」が主人公というところが
この小説の素晴らしさだと感じた。

切なく、苦しくて、半分くらい読んだところから
涙が止まらない。読むスピードも止まらない。
みんなが寝静まった真夜中、
ティッシュ片手に 泣きながら読んだ。
近年、こんなに泣きながら読んだ本は
「朗読者」と「対岸の彼女」くらい?

重苦しく哀しい小説だけど
さすがは重松さん、読後 温かで優しいものが体中をめぐる。
ホッとして安心して読み終われるのが救い。

わかり易く、読み易く、
そしてズシリと重く考えさせられる。

「若さ」と「脆さ」にも想いを馳せて
自分がもうそんな年齢じゃないことに気づいた小説だった。
途中、村上春樹「ノルウェイの森」を彷彿させるところがあり
奇妙なノスタルジーを感じた。

新年、何か本を読もうと考えているかたがあれば
迷わずこの本をオススメ
どうか 読んでみてください
コメント (2)
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