クラブ経営について２５

　昨日付けで、'08年度Ｊクラブの経営情報開示が発表されました。当ブログでもこの時期毎年触れています。素人なので、見方がおかしい部分があるかもしれませんが、書いてみました。
　　　　　　　　　　　　
　Ｊ１の１クラブあたりの平均営業収入は少し増加しましたが、Ｊ２は17％減少しています。クラブ別売上高も、営業収入30億円以上のクラブが１つ増えて12クラブ、その中で40億円以上が、Ｊ１・Ｊ２合わせて６つ。経常利益は、Ｊ１・Ｊ２とも収益状況が悪化し、経常赤字のクラブが前年度の７から13クラブに増加。

　細かく見ると、入場料収入はＪ１クラブは微増なのに、Ｊ２クラブは13％の減少になっています。広告料収入、Ｊリーグ配分金はともに減少。
　Ｊ１・Ｊ２の総額で営業収入は過去最高の約765億万円で、'99年以降最高額ですが、経常収支では約５億の赤字となったようです。

　営業収入のトップは、クラブ別の収支が公開された０５年度から４年連続でＪ１浦和で約71億円（前年度より約９億円減）。２位はＧ大阪で44億円、３位は鹿島で約42億円。今季からＪ２に降格した東京Ｖが約41億円で４位。
　売上高高ベスト５は、鹿島、浦和、東京Ｖ、横浜FM、Ｇ大阪。経常利益高ベスト５は鹿島、千葉、川崎Ｆ、名古屋、Ｇ大阪。
　Ｊ１で営業収入20億円代以下は６クラブ。札幌、柏、新潟、京都、神戸、大分。Ｊ１平均は約34億円。今期経常赤字は６クラブ。札幌、柏、Ｆ東京、新潟、磐田、神戸。純資産がマイナスのクラブは４クラブ。柏、横浜Ｍ、神戸、大分。これがＪ２になると、数字が全体的に下がってくるし、経常利益も少なく、半分は赤字となります。なかなか経営的には厳しい数字ですね。

　特に柏はよく名前が出ます。でも健闘していると思います。入場料が少ないですが、これは日立台のキャパの問題です。たぶん桃スタよりも入れないですから。一時期、葉っぱ（柏の葉）へホーム移転ばなしが出ましたが、サポーターの反対を受けて断念した経緯があります。つまり、今後も人数が余り入らないスタジアムで営業をしていく運命を背負っているため、絶えず満杯にしないと経営的に苦しくなる事になるのです。それでも、クラブがファン・サポーターの方を向いた経営をするというのは頭が下がります。

　そして、ヴェルディ。選手・チームスタッフ人件費がＪ１最多。営業費用も多いです。これで今期Ｊ２ですから厳しいですね。日本テレビが経営から全面撤退することが決定という報道が流れました。
　株式の約98.8％を７月にＯＢらが設立した持ち株会社「東京ヴェルディホールディングス」に全株を譲渡する案がＪリーグ理事会で承認されたとか。東京Ｖや下部組織などは新経営陣のもとで存続することになりました。
　ただ、なでしこのベレーザやバレーボールチーム、トライアスロンチームは、日本テレビに引き続き所属するとか。良かった。頑張って欲しいですね。

　東京ヴェルディホールディングスが１０年度の事業計画で示した５億４０００万円のスポンサー料収入を１１月１６日までに確保できなかった場合、09年シーズン限りでリーグから退会させることが、経営権譲渡の条件となっているそうです。大変な事になりましたね。
Ｊリーグ公式ＨＰ該当ページ：http://www.j-league.or.jp/aboutj/jclub/2008-9/pdf/club2009.pdf