事例紹介コラムです。
2日付けのヤフーニューストップに「放映権バブルはじける? 戦々恐々のFIFAとUEFA」というタイトルで、欧州でのTV放映権のバブル崩壊説の記事が出ました。ヤフーのトップ記事ですよ。いやぁビックリしたし、「それみろ!」と思いました。当ブログでは、過重なメディア利権は危険、その権利から来る分配金目当てに、J1のプレミア化は第二のJリーグバブルを生むと書いてきました。今の時期で良かったですね。まだ再考できるし、分配金による護送船団方式から違う形の経営手段を目指す事ができると思います。以下、抜粋して紹介。
FIFAとUEFAが絶大な権力を握る背景となっているテレビ放映権料のバブルが今年、一気に弾ける可能性がある。鍵を握るのは「Free-to-air(無料)チャンネル」の存在。欧州メディアなどによると、EUの最高裁判所に相当する欧州司法裁判所の法務官は昨年12月、非公式ながらW杯と欧州CL(チャンピオンズリーグ)の無料チャンネルでの放映を認める見解を提示。「社会にとって重要だと位置づけられるイベントは誰もが見られるようにする手段を確保するため、無料チャンネルは必要」というのがその理由とか。
W杯や欧州CLの放映権料は大会ごとに高騰。TV局側が視聴者から契約料を受領し、有料チャンネルで人気カードを放映する事で値上がり分をカバーしてきた経緯がある。このため、FIFAとUEFAは無料チャンネルによって本来得られるべき収入が阻害されると反発。英国とベルギーが無料チャンネルを黙認する立場を示したことから欧州委員会に申し立てを実行。しかし、一昨年に一審に相当する欧州一般裁判所が棄却。これを受け、FIFAとUEFAは欧州司法裁判所に上告。 欧州司法裁判所は数カ月以内に正式に裁決を下す見通しだが、同じように無料チャンネルを認める判断を示す見通し。
AFP通信によると、2018年ロシアW杯と2022年カタールW杯の放映権料は一括販売で18億5千万ドル(約1,570億円)とされる。UEFAが放映権料などの収入をもとに昨季の欧州CL出場クラブに支払った分配金は総額で7億5,410万ユーロ(約730億円)にのぼる。欧州司法裁判所の裁決によって無料チャンネルが正式に認知されれば、人気大会の放映権料が値崩れするのは確実。FIFAとUEFAは「バブル崩壊」によって大打撃を受ける事になるというもの。
これは、時代の流れだと思います。「社会にとって重要だと位置づけられるイベントは誰もが見られるようにする手段を確保すべき」という理論はこれから、世界を席巻していくでしょう。そうなると、もう一つの人気大会であるオリンピックもちょっと気になりますね。ただ、W杯や欧州サッカーのようにバブルで高騰まではいかないかも。これは日本が今苦しんでいる「デフレ」とは逆のいわゆるサッカー「インフレ」というもので、バブルはいつかはじけるものだと思っていました。
では、日本はどうしたらいいのか。イングランドプレミアリーグに憧れる事をやめる事です。今までのバブル現象はTV放映権があってもの。それが紙くずとなれば、またイングランドが冬の時代に戻るかもしれない。バブルがはじければ、アジアの国でもそのうち露出度は減っていくでしょう。前から当ブログで言っているように、J1をプレミア化せず、しっかり地に足の着いた経営を今までどおり進めていくのがいいのではないかと思います。確かに先日、Jチャレンジリーグではなく、正式にJ3リーグを立ち上げるという報道がありましたが、ブンデスリーガのような、バランスが取れ、観客動員が見込める経営方式を目指すべきかと。
Jリーグ組織問題関連⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121228
〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121217
〃 ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121216
〃 ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121215
〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121214
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121108
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120730