事例紹介コラムです。
今日の「フットボールチャンネル」のコラムに、鈴木康浩氏の「強行される“2ステージ制”への移行。Jリーグに足りないファンへの理解と説明責任」というタイトルで、とても読み応えのある記事が出ていました。以下、抜粋して紹介。
※今年7月の反対運動の様子
【公式発表の前に漏れた「2ステージ」】
11日のJリーグ実行委員会で15年シーズンから大会方式が変更され、2ステージ制およびチャンピオンシップが導入される合意がなされた。この時点でJリーグにお願いしたいのは今後もできる限りの数字や情報をオープンにし、しっかりと説明責任を果たして欲しいという事で、オフィシャルの発信を強化すべき。
【サポーターの生の感覚を理解しているか?】
この情報が流れ始めた5月下旬にすぐにサポーターから反発の声が挙がり、7月Jリーグ実行委員会が開催される頃にはその声もピークに達していたが、この一か月間、Jリーグはサポーターに対してほぼ説明責任を果たしていなかった。既存の常連客を大事にせず、新しいお客を取り込むことばかり考えているお店が成長・発展するはずがない。まずは足下を固めよ、新規顧客はそれからだ、のはずである。
サポーターは、当初のJリーグの姿勢や、インタビューの言葉の節々から中西本部長と自分達との距離を敏感に感じとってしまう。その距離を縮めるために、中西本部長や大東チェアマンが現場に顔を出してサポーターとコミュニケーションをとるべきだ。中西氏が分析するJリーグの現状認識は、現時点では机上で算盤を弾いたような話といった印象。まずは現場目線に立って「なぜサポーターはスタジアムに集うのか」「サポーターがリピートする理由はどこにあるのか」などを肌感覚で理解する必要がある。
その上で、大会方式の変更で何が成功で何が失敗か、その数値や現場感覚を包み隠さずにオープンにしながら説明責任を果たしていって欲しい。
【協会はJに協力的なのか?】
2ステージ制で新たに10億円以上の原資が得られるとあったが、代表戦が潤っている日本サッカー協会からお金を引き出すことができなかったのだろうか。ドイツサッカー連盟(DFB)とブンデスリーガは相互補完の良好な関係にあり、双方がそれぞれに果たすべき義務を綴った契約書まで存在するとか。日本代表選手の活躍で日本協会はJリーグの恩恵を受けてので、Jリーグが危機に瀕している今こそ、その恩を返すのは当然だが、現時点では、協会が傍観している印象。大金持ちの協会にしてみれば、「たったの10億円ではないか」
「フットボールチャンネル」鈴木康浩氏コラム:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130912-00000001-footballc-socc
そして、スポニチに「2ステージ制に疑問の声 新潟・柳下監督『若手が伸びない』」と、J1新潟社長の声が載っていました。現場の生々しい声です。以下、抜粋して紹介。
J1の2ステージ制について、J1新潟から12日に疑問の声が相次いだ。J1・J2合同実行委員会に出席したJ1新潟田村社長は「今のやり方が公平で分かりやすく、これが本来のやり方」と1シーズン制を支持。柳下監督も「チームづくりが難しいところもあるし、あまりいいことではない」と話し、収入増をもくろむリーグに対し「単なる収入のためなら長続きしないのではないか」と苦言を呈したとか。
2ステージ制になると1年を見据えた選手起用が難しくなるという事で、柳下監督は「短期決戦になるのでチームを早く仕上げていかないといけないし、若手を長い目で見て使えなくなるので伸びていかない」とコメント。また、第1ステージで不振だった場合に「お金があるチームは(補強で)選手を入れ替えてくる」と格差が拡大する可能性にも言及。2人が口をそろえたのは、観客動員や増収へ「もっと各クラブでやらなければならないことがある」という事実。J1を土曜に限定せず日曜開催を増やすほか、選手による学校訪問など地域に根付く地道な活動を続ける必要性をコメント。
スポニチ該当ページ:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130913-00000086-spnannex-socc
上のフットボールチャンネルではJリーグの情報の閉鎖性について触れています。私は「Jリーグ百年構想」のイメージが強く残っているので、こういうムバラークなのはごく一部の人(執行部の事務方とか)ではないかと思います。「既存の常連客を大事にせず、新しいお客を取り込むことばかり考えているお店が成長・発展するはずがない」って、昨日の当ブログの論調と同じです。まあそうでしょう。ファン・サポーター不在の部分にも触れていますね。
スポニチの方は、新潟社長の勇気あるコメントを紹介しています。11日の委員会が反対意見がある中、多数決か何かで強引に決議された印象を持ちます。確かにどう決まったのかが書かれていなかったです。「単なる収入のためなら長続きしないのではないか」「観客動員や増収のためにもっと各クラブでやらなければならないことがあり、選手による学校訪問など地域に根付く地道な活動を続ける必要性」を言われています。この辺りも当ブログの論調と同じです。もっともっとこういう声が高まる事を期待しています。
また、issanのブログ記事にいい文章が載っていました。最近、プロ野球は余り観ないし、全然詳しくないのですが、2ステージ制についてとても参考になりました。以下紹介。
NPBのパ・リーグがかつて人気回復の起爆剤として2シーズン制を導入。前期と後期に優勝争いが観られ、観客動員に大きな効果が見込まれるとされたが、年に2回優勝争いがあるということは裏を返せば年に2回消化試合を見せられるということで観客数は減少の一途をたどり、結局現行の1シーズン制に戻らざるを得なくなった経緯がある。
2シーズン制が導入された年の昭和48年のように前期優勝した南海が後期シーズンでは後期優勝の阪急に全敗。そしてプレーオフで阪急を下してリーグを制覇した、いわゆる「野村の死んだふり」事件のように勝つために手段を選ばなければ短期決戦は何とでもなるという事。
このまま上層部の独断で運営が進んで行くようなら、Jリーグは崩壊するでしょう。JにはJの文化があり、それは奇策によって良い方向に向かうことは決してないことを再認識して欲しいと結んでいます。
issanブログ該当ページ:http://ivory.ap.teacup.com./issan/3907.html
どうもJリーグ執行部の独断専行の匂いを強く感じます。「分配金が減ってもいいのか」という殺し文句で、無理やり納得させている印象がどうしても出ます。どうして、「お客様」「一般消費者」であるファン・サポーターの声を聞こうとしないのか。商業での鉄則ですが、「客の事は客に聞け」だと思います。
今日の、柏対磐田戦が開催された日立台バックスタンドで、2ステージ反対の弾幕が出されたが、スタッフに撤収されたという情報が入りました。2枚くらい出されていたが、1分も立たずに撤収させられていた映像が流れていたとか。こちらとこちらのサイトに掲載されています。ネット情報によると「2ステージ制断固反対! 小さな世界へと進むな! Jから世界へ! それを見せつけろ柏」という内容だったようです。
勇気ある行動に拍手です。しかし、残念ですね。前にも柏サポの2ステージ制反対のダンマクが掲示できなかったという情報を耳にしています。ダンマク掲示場所じゃなかったからもあるようですが、移動して掲示できなかったのは、柏フロントなのか、Jリーグ職員の指示なのかは不明。そこまで統制するのかと。ただ、やはり今日から始まったなという印象です。
ちなみに、昨晩のすぽるとで「2ステージ制特集」やってました。賛成論も紹介される中で、清水秀彦氏は「世界に合わせるために騒いで実施したのに、なぜそういう事が出てきたのかよくわからない」と辛辣でした。「わかりやすく魅力を伝えること」がすべてのコンテンツに共通する当たり前の事。本当に危惧すべきは世間の無関心であるという論調。ツネ氏は「議論と透明性の中で行われ、難しい状況になれば戻すという柔軟な決定が必要」と優等生コメント。柏対磐田戦では、「新制度に関する横断幕は見当たらず」とありましたが、これって・・・