リスペクトコラムです。
先日、ちょっと気になるニュースが流れました。Jリーグでも秋春制を導入する可能性が高まったという情報です。2017年に村井チェアマン時代のJリーグ理事会で秋春制を却下してから、当ブログでもずっと秋春制は反対の立場を取ってきました。選手ファーストの視点で野々村チェアマンは導入肯定派でもあり、去年8月にACLでの秋春制の導入が決まってから、Jリーグでの雰囲気が少し変わってしまいました。
【Jリーグ26年までに秋春制移行へ ほぼ全てのクラブが同意、容認の姿勢 条件、環境まとまれば前倒しも】
「現行の春秋制からのシーズン移行が再議論されているJリーグが、遅くとも2026年秋には秋春制をスタートさせる可能性が高くなった。12日までに複数のJリーグ関係者が明かした。
これまでJクラブ側は降雪地での冬季の試合開催が困難であることなどを理由に消極的な姿勢を打ち出してきた。だが日本サッカー協会の田嶋幸三会長が2月17日に『いろいろな障害があるのは事実だが、しっかりと話をしていかなくては。シーズン制を変えたい』と検討していることを明かしていたように、建設的な議論に発展しなかった過去とは違い、今回はほぼ全てのクラブが秋春制移行に同意、または容認する姿勢を見せているという。
背景には世界的なサッカーカレンダーの変更がある。今年からアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が秋春制に移行。25年から32チームに拡大されるクラブW杯は6月から7月にかけて開催される。現行の春秋制では編成面でのゆがみを生む可能性があり、より世界のスタンダードに合わせる必要性に迫られていた。また、猛暑の時期を避けることで競技レベルの向上につながり、国内レベルが引き上げられれば代表強化にもつながるだろう。加えて、選手の欧州移籍もしやすくなる。
現在は降雪地クラブのハンデを最小限にとどめる冬季中断期間の長さやシーズン移行する前年度のリーグ形式、選手やスポンサーの契約形態などに関する詳細を詰めるため、各クラブにヒアリング中。W杯北中米大会後をメドに調整を進めているが、条件や環境がまとまれば26年秋よりも早い段階で施行される可能性がある。」
引用:スポーツニッポン
秋春制は欧州のほとんどのリーグが採用している大会方式で、多くが8、9月に開幕し、5月中旬に閉幕する。冬季の中断期間はリーグにより異なる。欧州CLなどのカップ戦も同じサイクルで開催され、W杯はこれらが終了した6月上旬ごろに開幕するとあります。
2017年の記事にありますが、上の画像を見ると、春秋制を導入しているのは、北部にある国でどこも豪雪地域、秋春制を導入しているのはどちらかといえば南側に位置する国々。日本も北日本を中心に豪雪地域があり、練習環境の公平性を考えると、やはり秋春制はしんどいなと今でも思います。野々村チェアマンが屋根付きスタジアムを造ればいいと言われていますが、そんなに簡単な話ではないと。
また、Jリーグ理事会で却下された記事を振り返ると、微妙な部分が指摘されていますね。「育成面では学校カレンダーと一緒になっていた方がいい」と。秋春制を導入すると育成面が停滞する可能性があります。いくらしばらくACLでいい成績を残せても、徐々に育成力が低下し、気が付いたら日本サッカーが弱体化していたという事にもなりかねませんね。
そんな中で先行してACLで秋春制が始まってしまう。Jリーグはどうするのか。難しい問題です。アジアのチャンピオンになるためには、ACLのシーズンに合わせなければならない事はよくわかっていますが、例えば試行期間として、秋春制になったACLでしばらく春秋制のJリーグで戦ってもみて効果検証を見てもいいのではとも思っています。
今回のメディア報道で一つ気になるのはスポニチさんのみという点。真実をスポニチさんが入手し、観測気球(過去にもありました)で情報開示させたのか、それとも過去の監督報道に象徴されるように、時々発生するガセネタなのか。と書いていたら、鹿島さんの小泉オーナーのコメントも報道されました。
【J1鹿島の小泉社長 秋春制移行報道に苦言「何も決まっていない」ファンらもSNSで反応】
「J1鹿島の小泉文明社長が13日、自身のツイッターを更新し、Jリーグのシーズン制移行の報道に苦言を示した。
Jリーグはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)が秋春制に移行することを受けて、シーズン制の変更を議論している中、2026年から秋春制になることに多くのクラブが同意していると一部メディアで報じられた。この報道に小泉社長は『反響は大きく問い合わせが来てます』とし、『過去から何度も議論してきて未だに何も決まっていない』と書き込んだ。」
「ACLのシーズン移行により決断を迫られている格好だが、小泉社長は『課題や論点が多く、建設的にもっと検討、議論すべきだと思っている』と記した。Jクラブトップの投稿にネットも反応。『小泉社長、素早い発信ありがとうございます』『まだ決まってないなら良かった』『今の協会やJのトップの方々はもうファンの声無視して突き進もうしてる印象』などの声が書き込まれていた。」
この中で気になるのが「未だに何も決まっていない」「課題や論点が多く、建設的にもっと検討、議論すべきだと思っている」という発言部分。つまり当初ファン・サポーターとの距離を指摘された小泉社長が、Jリーグ理事なのに、完全にファン・サポーター側に立って苦言を呈しています。つまり、上のスポニチさんの報道では「今回はほぼ全てのクラブが秋春制移行に同意、または容認する姿勢を見せているという」とありますが、「全て」ではなく反対派がちゃんといるという事で、まだ一枚岩ではないという事になりますね。
これらの情報を見て来て、ひょっとしたら第2の「2ステージ制騒動」になるかもしれないと思ってしまいました。あの時も強引に進めた結果、反対運動が全国に渦巻きました。ファン・サポ―ターあってのJリーグ、育成部分も不可欠。
現在各クラブにヒアリング中で、W杯北中米大会後をメドに調整を進めているが、条件や環境がまとまれば26年秋よりも早い段階で施行される可能性があるとあります。26年秋というと3年後でまだ時間はあります。これから一波乱二波乱ありそうですね。大きな変革なので、Jリーグはぜひ全国各地でホームタウンミーティングを開催して、全国(特に降雪地域)のファン・サポーターと対話して欲しいと思っています。札幌社長時代にそういう事をされている野々村チェアマンなら全然可能だと思われますが。
あと、現在秋春制を導入しているWEリーグですが、全く効果が出ていないのでは。長すぎるウィンターブレイク期間で認知度が激減している印象。このページに、秋春制についていろいろ詳しく出ているので参考に。
秋春制関連⑦:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220812
〃 ⑥:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20171220
〃 ⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170922
〃 ④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170715
〃 ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170216
〃 ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140713
〃 ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130614
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