事例紹介コラムです。
今日、悲しい知らせが入りました。Jリーグ理事会で2ステージ・プレーオフ制度が決まったそうです。ちょうど、トイレに入っていてその中で携帯を観ていて知りました。まさに糞ったれという感じでした。これでこの話題は一区切りになります。ただ、これで終わった訳ではありません。来年の7月が、2015年運営方式を固める最終期限だと思います。何しろ再来年の話なので。
あれだけ全国のスタジアムでダンマク主張したJ1サポーターの皆さんの一途な思いがこれで終わるとは思えません。Jリーグ執行部にはたくさんのお手紙も行くでしょうし、有識者のご意見も届くでしょう。署名運動も起こるのでは。まさに第2ステージのスタートだと思います。それにしても残念ですね。仕事帰りの中で「やっぱりJリーグには常識が残っていました!」という文言で書き始めるつもりだったのですが、こうなって本当に口惜しいです。
当ブログ的には、頂戴と手を出すのが先か、何か実行成果を示すのが先か、お金か世界基準か、商業主義と付加価値主義の戦いだと思っていました。これで日本サッカーは弱体化の道に入っていくのかもしれません。ファン・サポーターとついに一度も対話せずに禁断の道に入ってしまったなぁと本当に思っています。さあ、J1サポーターはこれからどうするのか。
Jリーグ公式HPにこの件が正式にリリースされています。おとといまでたっぷり紹介してきたので、いちいち紹介しません。見るだけでも悔しいので。どうぞ。
Jリーグ公式HP該当ページ:http://www.j-league.or.jp/release/000/00005333.html
〃 大東チェアマンコメント:http://www.j-league.or.jp/release/000/00005334.html
決まった後で、今日は少し悪いタイミングになったのかもしれませんが、今回の件でコラムがいくつか出ていました。来年7月までの第2ステージ記事という事で紹介させていただきます。まずはチェーザレ・ポレンギGOAL JAPAN編集長。この記事は今日のYAHOOニューストップに出ました。以下、抜粋して紹介。
現時点で、2ステージ制は日本のサッカーにとって正しい選択肢ではないのではないかと考える理由がいくつかある。第1の理由はフェアな制度ではないから。サッカーには、2つのタイプの大会がある。ひとつは、ノックアウト方式の大会。もう一つはリーグ方式の大会。幸運や不運が全体的にはおおむね均等化されることで、タイトル獲得に最もふさわしいチームがタイトルを手にすることができる。
Jリーグの優勝決定戦をノックアウト方式に変更するのは、事実上、シーズンを通してどのクラブが最も良い仕事をしていたかを決める機会が日本のサッカー界から失われてしまうことを意味している。
例えば、第1ステージで2位に終わったチームが幸運な形で最後の2試合に勝利し、「日本の王者」と呼ばれることになってほしいとはまったく思わない。ノックアウト方式の興奮が味わいたいのなら、すでに2つのカップ戦が存在している。
第2の理由は、観客数の減少という問題に対して、これが的外れな対応策ではないかという不安があるため。新制度導入の背景にある根拠は、それが観客増加につながるという期待だが、2011年以降の観客減少は、2つの単純な理由によるものだと考える。東日本大震災と人気選手の欧州へ移籍し全体的なクオリティーが引き下げられていること。
Jリーグには一定数の固定ファンがおり、結果にかかわらず来場する。だがスタジアムの来場者数をさらに増やしたいのであれば、世界中で共通するごくシンプルなルールは、試合のレベルをできる限り高く保たなければならないということ。観客は、優れた選手たちを見るために試合に来るもの。マンチェスター・ユナイテッドの来日、日本代表の試合しかり。
第3の理由は、サポーターの大部分が、その導入に強く反対しているという事実。現時点で存在している顧客の大部分から反感を買いながら、その顧客の数を増やすことを期待するというのは理解に苦しむと言わざるを得ない。
この国には独特の団結力を持った、健全で活発なサッカーコミュニティーが存在。ピッチ上でも、この20年間で日本ほど急速に成長してきた国は世界に他に見当たらない。それでもまだ不十分だと言うのなら、一緒に頑張って、さらに良くしていけばいいだろう。だがそうする上では、どんな声も議論の一部として受け止められることが必要。
以前の記事で、J1新潟社長が反対している記事を紹介しましたが。地元マスコミである新潟日報に「J1大会方式変更 リーグ理念に反しないか」というタイトルで的確な指摘をするコラムが載りました。以下抜粋して紹介。
2ステージ制とポストシーズンには多くの問題点がある。現在は18チーム2回戦総当たりで、ホーム&アウェーでそれぞれ17試合、計34試合を戦うが、2ステージ制だと各ステージ17試合となり、本拠地での試合数が9と8のチームが出てくる。多くの地元サポーターの応援を受けて有利とされるホーム試合数が異なるのに、それで順位を決めてしまっては公平性が保てない。
各ステージが比較的短い期間となるため、シーズンを通してチーム戦術を練り上げ、魅力あるサッカーを追求できなくなる恐れもある。即戦力が優先され、有望な高卒新人や若手選手を試合に出し、育ていくことも難しくなるかもしれない。
ポストシーズンも、年間を通して最も多い勝ち点を挙げたチームこそが総合力のある最強チームといえ、実施する意義自体が問われよう。リーグ戦の日程が過密となり、平日開催の増加や、開幕時期が早まる懸念もある。このため多くのサポーターが反対し、2014年シーズンからの導入は見送られていた。
Jリーグの理念は、日本サッカーの水準向上や豊かなスポーツ文化の振興などである。活動方針の第一には「フェアで魅力的な試合を行うことで、地域の人々に夢と楽しみを提供します」と掲げている。今回の改革はその理念を捨て、その場限りともいえる盛り上がりを優先させたと言えまいか。Jリーグが目指すのは「地域に根ざしたスポーツクラブ」のはずだ。
付け焼き刃的な改革ではなく、試合そのものの価値を高め、誰もがサッカーを楽しめる環境をクラブと一体となって整えていくことこそが優先されるべきではないか。
新潟日報サイト該当ページ:http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20130916066833.html
「THE PAGE」では論スポの藤江氏が「Jリーグ 複雑怪奇なスーパーステージの矛盾」というタイトルで、より具体的な矛盾点を突いています。このサイトも、「気になるニュースをわかりやすく」というテーマで、いいサイトです。以下、抜粋して紹介。
11年ぶりに復活する2ステージ制は従来の形態とは異なり、第2ステージと年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)の間に「スーパーステージ(SS)」を新たに創設し、最大で5チームがポストシーズンに進出する仕組み。
そうした観点に立った一連の議論の過程で導き出されたのが「2ステージ制+スーパーステージ+チャンピオンシップ」となるが、賛成を唱えた実行委員の中からも「分かりにくいのではないか」とファンへと浸透度を懸念する声が上がったとか。
【トーナメントが成り立たない】
過去3シーズンにおけるJ1を①年間総合勝ち点1位、②第1節から第17節までの1位と2位、③第18節から最終節までの1位と2位の3点に分けてみると、実行委員が指摘する「分かりにくさ」を生みだす「矛盾」が露呈。
<2010年>
①名古屋、②1位:清水・2位:名古屋、③1位:名古屋・2位:G大阪
<2011年>
①柏 、②1位:横浜・2位:柏、③1位:名古屋・2位:柏
<2012年>
①広島、②1位:仙台・2位:広島、③1位:広島・2位:横浜
年間総合勝ち点1位のチームと、両ステージの2位以内のチームのいずれかが重複し、トーナメントそのものが成り立たなくなるケースは、上記3シーズンに限らず、2ステージ時代の2002年の磐田、2003年の横浜のように両ステージで優勝するチームが現れた場合、ポストシーズンの出場チームをめぐる状況はますます煩雑。
Jリーグ側は、CS開催を大前提とした上で、「年間勝ち点1位のチームはSSには出場しない」と規定。その場合はSSを何チームで開催するか、4チームで行う場合には、どのチームを繰り上げで出場させるかといった点は継続審議とし、11月までに結論を出したいとしています。しかし、どのような善後策を用いても、分かりにくさは解消されないと思われる。
【ファンを無視した2シーズン制復活】
年間総合勝ち点1位のチームを「スーパーシード」的に扱う背景には、最も安定した力を発揮したチームをリスペクトするというサッカーの原点に立つだけでなく、サポーターを中心とするコアなファンの不満を和らげ、同時にテレビ局側の要望を満たす狙いも見え隠れする。
しかし、一連の議論では、一般のファンをいかに引きつけ、スタジアムに足を運ばせるかというテーマも俎上にあげられてきた。 あらゆる方面へ八方美人的な配慮を施し、その結果として「2ステージ制+SS+CS」は複雑怪奇で分かりにくい開催方式となりつつあり、これでは一般のファンの拒絶反応を呼び起こし、本末転倒とも言える結果を招きかねないのではないか。
THE PAGE該当記事:http://thepage.jp/detail/20130917-00000001-wordleafs
さあ、第2ステージのスタートですね。最悪でも東京オリンピックまでには1ステージ制に戻さないと。世界から笑われます。それにしても今のままなら、2015年から数年は「暗黒時代の失われた○年」になりますね。何でこんな事になっちゃったのか。賛成決議も理事会だが、撤回決議も理事会です。まだ、あきらめてはいけませんよ。それにしても、大東チェアマンはどうして記者会見に出席せずに帰られたのかな、何かあったりして。