事例紹介コラムです。
サポティスタを観ていたら、ついに出たかという記事がありました。THE PAGEに「2ステージ制導入のJリーグ のしかかる『11月問題』」というタイトルで2ステージ制騒動の話題が出ていました。まぁ、2ステージ制も1年目はいくらかいい結果が出るだろう、2年目に頭打ちが表面化し、3年目くらいにいろいろと言われると思っています。そんな中、まだ後期首位が決まっていない、最終節の前にこんな記事が出ました。以下、抜粋して紹介。
シーズンのクライマックスを迎え、22日には後期最終節が行われるJ1が、全く盛り上がっていない。今シーズンから11年ぶりに2ステージ制が導入、チャンピオンシップ(CS)も新設。サポーターの反対を押し切る形で2ステージ制を復活させる意図についてJリーグ側はこう説明。
「優勝争いのヤマ場を増やし、メディアへの露出をアップさせることでライト層のファンを新たに開拓し、かつスポンサーメリットを創出」
CSに関しては、組み合わせはもちろんのこと、進出するチーム数も最終的に確定していないために、メディアの間で取り上げられにくい理由はまだ理解できるが、大詰めを迎えている後期優勝争いや、CSの組み合わせに大きな影響を与える年間総合順位争いにも、現状ではなかなか露出が増えず。
理由は明白。第15節から第16節まで2週間、そして最終節まで再び2週間「飛び石」になる歪な日程の影響で、一時的に高まった関心が立ち消えになってしまうから。
「日本の気候を考えると11月はとてもいいサッカーシーズンであり、Jリーグの全体の日程でいくと、ここが一番のヤマ場」と村井チェアマンは語ているが、実際はヤマ場のはずの11月には2節しか組まず、ナビスコ杯決勝と日本代表戦が行われる関係で、2週間ずつの空白期間を設定。
今シーズンはクラブW杯(FCWC)が日本で開催され、J1王者が開催国代表として12月10日の開幕戦に臨む関係で、それより前にJ1の全日程を終わらせる必要があり、最大で5チームが出場し、1回戦と準決勝を一発勝負、決勝をホーム&アウェーで行うCSが試合日だけで4日必要。試合間隔を空けるためにも、ここでも2週間が必要。
1シーズン制だった昨シーズンまでならば、最終節を12月第1週で固定できたが、2ステージ制に変更した関係で、後期最終節を11月第3週までに終わらせる必要があり、今シーズンに限れば、リーグ戦の大原則を損なう「リスク」と背中合わせで後期を戦ってきた。大原則とは、最終節の9試合を同日の同時間帯に開催すること。
実際、G大阪がACL決勝に進出した場合は、ホーム山形戦の最終節は11月上旬の平日を予備日と設定。リーグ戦の最終節を同日の同時間帯で開催できなければ、優勝争いや年間総合順位争いで不公平が生じかねない中、G大阪がACL決勝に出場していれば、別の問題が発生していたことになる。 日程を「飛び石」にするしかない状況でJ1リーグは11月を迎えたことになるが、問題は今年だけでは終わらない。
「来年はリオ五輪、2017年はコンフェデ杯、2018年はロシアW杯、2019年はラグビーW杯、2020年は東京五輪があって、飛んで2022年は11月にカタールW杯が開催予定。こういうギリギリの中で、Jリーグだけではどうしようもない外的要因で、毎年のように制約を受けることを視野に入れて日程を組んでいかなければならない」と村井チェアマンのコメント。
毎年11月に国際Aマッチデーが2日組まれる国際カレンダーは2018年まで確定しており、その後も変更無し。少なくとも来年に関しては、ACL決勝も11月にホーム&アウェーで実施され、FCWCは来年も日本で開催。2月からJ1と平行して開催されてきたACLも大詰めとなり、決勝戦の第1レグはすでに今月7日に終わり、第2レグは同21日に開催。日本勢が決勝進出していれば、物理的に後期ラスト2試合を別の日程で戦う必要性が発生。
何らかの対策が必要の中で、Jリーグの実行委員会は、来シーズンの開幕を2月下旬ですでに合意。史上初の2月の開幕となれば、降雪地域での公式戦開催は、おそらくは第3節までは不可となり、ホームとアウェーを交互に戦うリーグ戦の原則をあえて崩す背景には、11月の歪な日程を是正する狙いが存在。
実行委員会内では後期最終節を10月最終週あるいは11月第1週までに終了させる案や、CSの出場チーム数を削減する案でも協議。10月最終週までに終わらせればいま現在の歪な日程こそ是正されるが、今度は後期最終節からCSまでが間延びする問題が発生。更に11月に開催予定の2節分をどこかに組み込むことで、過密日程が悪化。観客動員数が激減する平日開催は極力避けたいので、2月の最終週に開幕を前倒しにしたのが真相。
CSは、前後期の優勝チームと年間総合1位の最大3チームに減らして日程に余裕をもたせる案が浮上しているが、ステージ優勝と年間総合勝ち点1位のチームが重複する可能性は高く、3チームで争われる可能性は極めて低い。2チームの対決となれば2004年シーズンまでのCSと変わず、前後期完全制覇した場合にCSそのものが消滅する問題が発生。
リーグと同じく、CSも明治安田生命がスポンサーとなっている。Jリーグが不退転の決意で導入した新大会方式を支援するスポンサー筋とも協議しなければ大会方式を変える事はできないだろう。
すでに「然るべき時期に移行する」ことで合意している秋春制に踏み切り、ヨーロッパのシーズンに合わせる手もあるが、2ステージ制を採用している限り、今度は前期終盤戦の11月に生じる「飛び石」日程で、ファン・サポーターの興味や関心が薄まる可能性が浮上。実際、秋春制への移行に関してはJリーグ関係者も「本当に、効果的で根本的な解決になるのか」と懐疑的な状況。
残り1節時点の総観客動員数は、昨シーズン比で11万5799人増と上昇に転じており、村井チェアマンが「可能性を感じつつある」と言わしめる2ステージ制だが、継続していく限りは「11月問題」というジレンマをも常に抱え込んでいくことになると締めくくっています。
という内容でした。まずは年間総観客動員数が対前年比で今年は上昇しているという事で、まずはやれやれですね。最近は全く情報が出てこなかったので、ひょっとしたら今年から前年割れかと心配していましたが、今年は何とか増加をキープできたようですね。ただ、来年以降はわかりません。今回のコラムは過密日程の面からの2ステージ騒動の批判記事でしたね。過密日程以外にもいくらでも批判ポイントはあります。まぁ、過密日程については昨年からさんざん言われていたので何を今さら、最初からわかっていた事だろという感じです。
個人的に問題視しているのは、こういうコラムの中にファン・サポーターの声が全く入っていない事。こういう過密日程を解消するためには、愚かな2ステージ制という天下の悪法を一刻も早く撤廃し、所属クラブ数も少し減らしたらいいと個人的には思っています。ファン・サポーターも黙ってはいません。そのうちにガクっと客離れという現象が起こるでしょう。早ければ来シーズン、普通に2~3年後に発生すると思っています。責任を問われても、現役員は辞めれば自分達はいいでしょうが、残されたファン・サポーターにはすっかり荒れ果てた不毛のフィールドしか残っていないという状況を予想してしまいます。代表の弱体化、育成世代の低迷の遠因として、この辺りを思います。
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