CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ツナグ

2015-06-19 20:11:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
ツナグ  作:辻村 深月

また、話題なのに読んだことなかった作家さんです
現代ファンタジーという感じで、
死者にあわせてくれる、そんな仕事をする使者(つなぐ)の
その仕事ぶりやら、なんやらを書いた
ほのぼの幻想的なお話でありました
いや、幻想的ではないか
割と現実的というかなんというか
ともかく、なかなかよいお話でありました

短編連作というでもないですが、
最終的に、それまでの話の総まとめ的なお話で
大団円という具合で、さらっと読んで
堪能できました
憎たらしいことだとか、むかつくことだとか
そういうのはほとんど出てこないで、
感動を押し付けるでもないけど
どこかほっとするようなお話で
読んで満足でありましたところ

何か難しいことを描こう、テーマとしてと
それほどの意気込みはなくて、
むしろ、この設定を楽しむのが吉という具合で、
確かに、死者と出会うことで、
何か思うところや、かなうものもあるかもと
思ったりするけども、
死で分かれたそれとどう向き合うか的な
そういうことも示唆されているようで
実は、どれもそんなに大切でもないのかしら
そう感じるほど、割とライトに書かれていて
楽しく読めるのでありました
ひょっとすると、説教臭い感じになりそうなのに
そうでないのがよろしいところでありました

記憶に残ったエピソードとしましては、
自責の念、それを晴らすチャンスがあったのに
そうしなかった、さらに自責にかられ
やがて報いと救いを求めて、
赦しを得るためか、そうではなく、
ただ、本心から願ったのかという
女の子二人の友情と何かを描いたのが
抜群によくて、感激したのでありました
こういうのが好きだなと
久しぶりに思い知ったのであります

と、そんなわけで、さらりと
あっという間に読んで、それなりに楽しめたと
メモっておくのでありましたとさ