CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】カエルの楽園

2016-04-21 21:22:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
カエルの楽園  作:百田 尚樹

続いての話題作であります
いつごろからか、妙な物議を醸す人になってしまい、
心のそこからがっかりしているわけですが、
それでもこの人の小説は当たり外れはあるけど面白い
そう思っていたわけでありまして
今回も、話題になってるからどんなもんかと
蓋を開けたら、個人的にははずれのほうでありました

童話風に仕立てられているものの
内容はどうにも、薄っぺらいというと、なんか違うんだが
どうも、なんとも、うまく言えない、
悪口や罵詈の類は思い浮かぶけども
それは本質に届くところではない、なんとも
もにゃもにゃする読後感であります
いや、いわんとするところは、昨今作者が言っていることと
寸分たがわぬことだし、
そもそも小説家なんだから、自説を小説で語るというのは
賞賛してしかるべきなんだろうけども
なんだろうな、どうも、いけませんね
そんな、えらく辛く見えてしまったのでありました

あるカエルが、楽園を探して方々をめぐり、
楽園と思えた場所が、だんだんと雲行き怪しくなっていくと
まぁそういう仕立ての内容でありまして
国のなりたちと、そこで侃侃諤諤語られるものが
荒唐無稽とまではいわないけども、
ちょっと一方的に偏った内容でありまして
もうちょっと掘り下げるというか、やりようがあるだろうにと
眉をひそめてしまうような一辺倒でありました

たぶん、カエルは茹で上がるまで茹でられていることに気づかない

そういう故事じゃないけど、よく言われることを
もうちょっと説明的にやった物語風の説教だったので
なかろうかと思うのでありました
登場人物に、ハンドレッドなるカエルが出てくるのでありますが
これがたぶん、著者なんだろうかしらと思ったりしながらも、
著者だと思わせている、なにか別の登場人物のようにも思えて
以前から抱えている、騒動を起こしているだけで
本心から、そう思ってないんじゃないかしらと
そんな風に読めてしまう、なんとも
残念な読後感だったのでありました

規模の小さいドナルドトランプ的なものを想像してしまうのである