CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ハンニバル戦争

2016-04-28 22:02:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
ハンニバル戦争  作:佐藤 賢一

久しぶりに歴史ものを読みました
ずっと気になっていた、ハンニバル・バルカの戦記もので、
ローマ時代といっていいのか、
あれくらいの時代の戦争ものは、なんとかどうにか、
読んでみたいと渇望していたところに
この新刊でありました、いい、とてもよかった

内容は、ハンニバルの名前を冠するにも関わらず
ローマ側、いや、もっというと、スキピオを中心にというか
もう、スキピオの物語でしかなかったのであります
なかなか斬新といっていいのだろうか、
ほとんどハンニバルが出てこない、
いや、出てきて、戦ってるんだけども
まるで人物の描写がないまま、
その戦争巧者に翻弄されまくるという内容で、
まだ見ぬハンニバルの凄さを
スキピオを通して教えられるというか
学べるかのような内容でありました

物語としては、私がどっかで聞いた話に忠実な感じなので
たぶん、きわめて史実というか
伝説に沿った内容なんだろうと思うところ、
こてんぱんにやられるスキピオが、
その相手方であるハンニバルを手本にして
だんだんと、その才能を開花させていくと
まぁ、そういう筋書きなわけですけども
このこてんぱん加減が、なかなか見事というか
本当、まったく勝てないんじゃないかと
衝撃的なほど、ハンニバルが強くて
楽しく読めたのでありました

本当かどうかわかりませんが、
この本によれば、ハンニバルは政治家としても有能だった様子で、
まさに神の子といった具合で、またも
この憧れを強めるに至ったのでありますが、
敵ながら師事しているかのようなスキピオも面白く、
ローマ人の傲慢さも含めて
とても、面白い時代物を読んだと
満足の一冊だったのであります