CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】猫を抱いて象と泳ぐ

2016-09-28 20:20:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
猫を抱いて象と泳ぐ  作:小川 洋子

物静かだけども、とても面白い小説でありました
形容しがたい感動があった
どうと、なかなか説明しえない実に不思議な物語でありましたが
ただただ、面白かったと思うのであります
素晴らしい

リトル・アリョーヒンという綽名で呼ばれるようになる
ある少年を追った物語だったのでありますが
アリョーヒンという、チェスの名プレイヤーに憧れて、
また、そこに肉薄するかのように
美しい棋譜を編むことができる少年が、
数奇な運命といえばいいのか、何か不思議なものにとらわれつつ
夢かと思う、幻想的な世界観のなかで
生きていくという姿が、まぁ、なんというか
静かにとつとつつづられているだけなのに
ものすごく面白く読めたのであります
笑ったりというのではなくて、ただただ、なんだろうか
取り付かれるようにというのも違うんだが
ずずいっと、引き込まれて読んだのでありました

感想をあれこれ書くのも
野暮ではないかしらと思うほど
なんとも、心穏やかな読後感を抱えているわけでありまして
ロマンスとも、友情物語とも、成長記とも
いずれとつかない内容に、
いい本を読んだという、ごくシンプルな感想を語るばかりで
名作だったとメモっておく次第なのでありました

チェスを覚えてみようかしら
そう思わされたのでありますが
将棋もままならぬ身で、何をかいわんやと
そういうことも思うのである