CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】道教の世界4 飛翔天界 道士の技法

2017-11-15 20:27:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
道教の世界4 飛翔天界 道士の技法  著:浅野 春二

道教の実践というべきか、
儀式、儀礼の様相を解説する本でありました
実際に台湾で行われた、犬の霊を慰める儀式に密着して
その技法、儀式の数々を非常に細かく記していて、
面白いけども、字面だけだと全然わかんないと
ちょっと、臆してしまいながらも読み終えたのであります
面白かったし、道教儀式がどういうものなのか
なんとなくわかったような気分でうれしいのであります

まず、そもそもなぜ犬の霊を慰めるかというと、
別に飼っていた犬とかではなくて、
謎の病気にかかった息子さんを救おうとタンキーという
道士ではないが、道教的な神おろしを行う人の占いによって
以前に食べた犬が、食用の犬じゃなくて、番犬だったのが問題で
番犬なのに喰われたということに立腹して祟っていると
まぁ、そういうことなので、それを救ってあげなさいと
お告げがあった次第だそう
これに伴って、犬を供養というか、慰めるために
道教的な儀礼が行われたのでありました

道教では、祟っているものを救うのには、
それが救われるだけの功徳を積む必要があって
功徳は、こちら、生者側から送り込むことができるのだそうで
ようは、祟っている犬の功徳を代わりに積んであげることで
その犬が極楽というか、道教的天界へと召されるように
地獄から解き放ってあげようと
まぁそんなお話なのでありました

儀式は2,3日にわたって行われることがざらなんだそうで、
なかなか大変な様子でありました、朝から晩まで
様々な儀式が行われて、歌う、舞う、唱える、なんだかんだと
歩き方から、お参りというか、神への拝謁なんかが
事細かに繰り広げられていくのでありました
何度も、地獄に滞っている霊のようなものを集めてくるという儀式があって
それをまとめて救うところへと持ち込むというか、
神様の面前に連れていくのが
儀式の肝要なんだそうで、その方法や手法、
成り立ちなんかが詳細に記録されていました

歴史的に、重要視された儀式もあれば
省略されて今は残っていないものもあるんだそうで、
この実例の時でも、いくつかを一緒に行っていたり
簡略化したりというのがあるようで、
現在と、成立時とでおそらく、儀式そのものも違うのであろうと
うかがえる内容なのでありますが
大変興味深いというか、信心のなんたるかを
考えさせられたのでありました

とはいえ、これによって、道士の振る舞いやら
道観の参り方がわかったので、次回台湾いったら
試してみようなどと、罰当たりという仏教的なことを思ったりするのである