CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】武士道エイティーン

2017-11-27 21:10:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
武士道エイティーン  作:誉田 哲也

ようやく三部作最終巻を読めました
剣道少女たちの三年間がここに終わったと
そういう感じなんだけども、
確かに青春が繰り広げられて、それぞれの生き方なんかも描かれてと
大変楽しい感じだったのでありますが、
今回は、短編集のようにも読める内容で、
主人公二人だけではなく、その周辺の話も掘り下げていて
短編オムニバスな感じを楽しめました

王道的な青春小説でもありましたが、
それだけで終わらずというか、むしろ、王道ルートは、
割とあっさりというか、ある種の不完全燃焼といったところで落ち着いて
これもまた、ひとつであるなぁと感じたりしながら
そこに居た二人のことを思うと
なんかわからんが、感動に泣けてしまうと
そういう読後だったのでありますけども
試合という区切りがついたからといって、人生が終わるわけではないので
その後という当たり前の日常がついてきて
物語としては、なんかもったいない気がするけども
非常に納得のいく内容だったと感じたのでありました

様々に尾ひれのついた話なんかもありつつ、
剣道のスタイルから、自分を見つめるということが
後輩にも受け継がれたような、それぞれの剣道少女たちの
立ち位置というか、スタイルがはっきりと打ち出されていて
いずれに肩入れすることもなく楽しく読めたのでありました

まぁ、絶対に女子の友情物語としては
ありえない展開だよなと思ったりもしてしまったわけだけども、
可愛らしさのかけらもなさそうな生き方と、
それを包含して、ふわっと剣道やっている楽しさみたいなのの対比が
読んでいて、しっくりくるというか
この二人が青春しているというだけで、楽しい気分になれると
しみじみかみ締めたのでありました

周辺の人々の過去話も結構面白くて、
少しおどろおどろしい大人の物語もあったりしつつ、
読み応えというか、全編通して飽きのない
面白い小説だったと感心しきりなのであります
なんだかんだ、彼女たちの生き方が晴れやかであってほしいと思いつつ、
彼女たちを見守るように居るそれぞれの人たちもまた
青春ではない日常を生きているのが
当たり前なんだが、とてもいいなぁと感じた
そういう読後感であります
とても良かった