CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】中国の群雄 9 国をゆるがす女たち

2017-11-20 20:53:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
中国の群雄 9 国をゆるがす女たち  著:安西篤子、中野美代子、筧久美子

とりあえず則天武后の勉強をしたいと本を探したのでありますが、
この本が出てきたので読み終えた次第
内容には、漢の呂后、女帝武則天、楊貴妃の三章に分かれて、
それぞれを解説しているというものでありました
個人的に知りたいことを得たといえるかどうか
ちょっと、わかりづらいところでありましたが
中国史における悪女と呼ばれる人たちのことを
知らず学ぶことができたので
よい読書であったと思うのであります

呂后については、劉邦関連の本で
そこそこ聞いていた話なので、わかりやすくまとめてもらえて
悪いといわれるが、それなりに言い分があったんじゃないかと
そう思えるような内容でありました
まぁ、擁護してよいかどうかは怪しいが
威夫人を人豚にするという、凄まじいそれについて
弁解しようもないけど、よっぽど怒ってたんだろうなと
そう思わされたのであります
というか、むしろおびえていたというのが正解っぽい感じで、
嘘かまことか、それを悔いて、神仙に祈ったりもしたそうで
案外人間らしいからこそなのかなと
感じた次第であります、まぁ何千年前の話だよというところなので
いまさら何もいいようがないのでありますけども

そんな賢妻と呼んでよい、正妻であった呂后からうってかわって
唐の時代に皇帝が息子の嫁を寝取ったと
そういうお話で出てきたのが、知りたかった則天武后こと
武照でありました、武という一族の女性だったようでありますが
かなり聡明で、美貌も素晴らしかった様子
その女性が、皇帝に見初められて皇后のような立場となって
そこから、権力を握り、あらゆる権力保持のため、
一族滅亡とかを行いまくり、
唐の宗家であるはずの李氏を根絶やしにするとか
なかなか壮絶極まりない政治力を発揮したそうでありました
彼女をそこまでしたのは、その以前に、
彼女を皇帝の妻としようと画策した男であったり、
なんだかんだ、歴史が繰り返したというか
学び取り、手腕として発揮した武則天の凄まじさであったと
そういうお話でありました

悪女として名高いわけでありますけども、
才媛であったのは間違いないようで、様々な改革も行い
一部成功したというか、それを実行した力そのものは
否定できないほどの偉業でなかろうかと
そのあたりは、非常に興味深いのでありました
もう少しなんか知りたいと思うのである

なお、そもそも興味を持つにいたった道教との関係は
ほとんど出てこなかったので残念なんだが、
とりあえず唐という時代について調べていこうと
思わされたのであります

で、その唐の最後を飾る女として
楊貴妃が出てきたわけでありますが
彼女については、歴史的な何かということは
この本ではほとんど説明されずに
というか、楊貴妃の話は知っていること前提で
話が組み立てられていたのでちょっと残念だったのですけども、
政治に振り回された、可哀想な女という像については
日本での信仰めいたものなんだそうで
これはこれで興味深い内容だと思われたのでありました
楊貴妃は小説がいくつかあるからいいんだが
さて、則天武后についてもっと知るために
何かしたいと思うのでありましたとさ