CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】追想五断章

2018-07-16 21:21:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
追想五断章  作:米澤 穂信

けだるい、違うな、薄暗い、そうでもないな、うっそうとしてる、
そんな、ともかくダウナーなイメージを抱きつつも
面白く読まされた小説でありました
古本屋で自分の人生に押し潰されそうになっている主人公が、
ひょんなことから、探偵でもないが、
ある断章を集めるという依頼を受けて
それを続けていくうちに、謎に迫ると
そんなお話でありました

男が生涯をかけたというか
その人生において、どうしても残したいと思ったものを
小説の形にして、それも、オチをあえて断裁している
リドルストーリーという形で姿にし、
さらにそれを方々にちりばめていたというのが
なんだろうか、オチまで知ったうえで
今また思い返すと、男の煩悶でもないが、
そこに何を残そうとしていたのか、
想いみたいなのと、煩悶や懊悩みたいなものが
見えてくるようでぐっと感動したのであります

最後は救われない形だったようにも思ったのだけども、
それは読み手によるのか、これもまた大きなリドルストーリーなのか
わからないけども、本を読んで、小説を楽しんだ
そう思えてならない、いい一冊だったとメモるのであります

キャラクタがどうしたということもなく、
人の想いが形を作られていくような感じが
なんとも読んでいて楽しいというか、読書していると感じられて
物語を読む楽しさを味わえた
なんか、そのものの感想とは言いがたいが
なんとも読む面白さがわかった本だったように思うのでありました

いや、だけども、そんなに面白かったかというと
そんなでもない物語なんだけども
不思議と、構成なのか、読んでいて
するする頭に溶けてくるようでよかった