CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】桐谷さんの株主優待ライフ

2018-10-01 21:20:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
桐谷さんの株主優待ライフ  著:桐谷 広人

経済本というか、株に関する本だと思って読んでみたら、
桐谷さんの自伝的な本でありました
ちょっとだけ株主優待のことも語っているけども、
内容は、桐谷さんの株主生活がどういう歴史をもっているか、
どんなに酷い目にあったかというところを語り、
その間、様々な縁があって仕事のひとつになった
映画の寸評があり、そして、人生の大切な部分を培った将棋の話がありと
なんだかんだ、個人的にはどの趣味もあうので
大変楽しく読めたけども、本として経済コーナーにおいてはいかんだろうと
思ったりした一冊でありました

株主生活については、最初は普通の投資家として、
持ち前の記憶力のよさを使って、あれこれとやっていたようで
正直、その根幹のところはまったく触れてくれないので
どういうスタンスだったのか想像もできない感じだけども
ライブドアショック、サブプライム問題、リーマンショックと
立て続けに酷い目にあったおかげで、
株主優待で食べていくしかなくなったという
後退的な生き方、狙ってやってきたわけではないというのが
知らなかっただけに面白いと思えたところでありました
もともとは、それなりに儲けようと思っていたけども
それが完全に破綻したと、まぁそういうことのようであります

棋士人生で蓄えたほとんどをつっこんでいた株式が
壊滅的な状況になったので、現金収入がなくなり
困ったから、優待券で生活しようと頑張っていたら
今の状況になったと、まあそういうお話なんだそうで
もっとも、その前に棋士でありながら株式投資で儲けている人と
名をはせていたのだそうで、そこからの転落も含めて
興味深い生き方になっているようであります

その転落から、うまいことテレビ出演に繋がって、
気付いたら、そのキャラクタもあわせて、あれよあれよと
今の地位になったんだそうで
ただ、その株式投資のほうはアベノミクスで回復するまでは
本当に信用に食いつぶされるような凄まじい恐怖を味わったようで
このあたり、さらっと書かれていたけど衝撃でありました
本当に大変だったんだろうな

その他、趣味と実益がかなったかのような映画三昧の日々から
映画評も出したりしていたり、なかなか楽しそうな人生だと
はたから見ると思うところでもありましたが、
やっぱり興味深いのは本業であった将棋の話で、
遅咲きのデビュー、そして、そのデビューが就職危ないから仕方ないみたいな
昭和はじめのころの赤狩やなんだと関係しながらというのが
これまた興味深いお話で面白かった
実力はあったからこそプロになれたのだろうけども、
そっちはそこまで気を入れていなかったのも確かなようで
その後、米長先生とのことがすこーしだけ触れられていて
実際は、もっとあれこれあったんだろうが
あまり語らないのがいいことなのかもと思ったりしたとさ

ともあれ、桐谷さんと名前しか知らない程度だったのが
どういう人となりか知ることができて
なんだか楽しくなってきたので、今度見かけたらなんか読んでみようかと
思ったりしたのでありました
優待生活というのも、なんか考えてみるかしらとかね