CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】人魚の眠る家

2018-10-16 21:04:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
人魚の眠る家  作:東野 圭吾

重たい小説だった
相変わらず、すばらしく読みやすくて
なるほどなるほどと、先を急いでしまう読書になるんだが、
今回のは、まぁなかなかどうして、えらい重たい話でありました
倫理に問うというか、死ぬとは何かを考えさせられる
とんでもなく重たいお話でありました

脳死という状態をはたして死と呼ぶのか、
そんな問いかけをする物語でありまして
奇跡的な脳死と呼んでもよい状態の女の子が
延命されている間に、少しずつ体が成長していく
でも、意識は戻らないし、戻るはずもないといわれている
この状態をいつまで、どのようにするべきか
親の情や、様々な想いとしがらみを描きつつ
この問題を考えるためのエピソードが
次々と起こっていくというか、
なかなか、考えさせられまくった一冊でありました

結局、現在の脳死という定義は、
あくまでも、一連の手続きを行った結果でしかない、
死とはそういうものではなかろうという
哲学的な内容に挑んでいまして、
それぞれのタイプというか、代弁する登場人物たちが
また、なかなか考えさせられる行動をとっていたりして
人間ドラマが見ごたえありすぎて、より重たさをもたらしている感じでありました

本当にここで描かれたことがおきるのか、
人間というか、人体の不思議もありまして、
結局、電気信号で体が動くのは確かなのだから、
そういう信号さえ送ることができたら
人間というべきか、死体というべきか、
動かすことはできるのでなかろうかなんて考えたり
なかなか恐ろしいところでありましたとさ

しかし、考えてみると脳の凄まじさというか、
人体というべきか、人間という一個存在を生命たらしめているということの
凄まじさ、それの代替なんてできるはずもないということも含めたりしながら
なんとも、奇跡を改めて思い知るようで面白い読書となりました
いや、でも、本としてはあまり面白いといいがたいな
そういう感想も抱いたのである