CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】電王

2018-10-30 21:25:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
電王  作:高嶋 哲夫

将棋小説であります
仮の世界になってしまうので、
将棋に思いいれがあると読みづらいなと感じてしまったけど
物語として、凄い面白かった
読み終わってみれば、王道である幼馴染のライバルと
歳を経てからの対決というそれなんだが、
舞台装置の将棋、AIがたくみに入り込んでいて
過去と現在をいったりきたりする物語が、
やがて合流しての大団円という感じが
読み終えて、よかったよかったと思えたのであります

人間ドラマというでもなく、企業ドラマでもなく、
技術や将棋について、やたら滅法偏っているはずもなくと
そんな按配で、二人の男がどう生きてきてどう考えたか
それが、あるタイミングで合致した
たったそれだけを描いていたのでありまして
感銘とか、深い感動というのとはちょっと趣が違うけども
とてもよい物語だったと思うのでありました

将棋にちょっと思いいれというでもないが、
知っていることがあると、実際はこうではないなと
頭の片隅でしょーもないことを思ってしまって、
素直に楽しめなくなってしまうのだけども、
これが架空のゲームだったりしたら、またなかなかどうして
うまいこといかんのだろうと感じたりもして、
やっぱり、将棋で、そしてゲームの話なんだけど
こういう物語があったらいいなぁと
そう思わされる内容だったと感じたのでありました

そう、実際の電王戦がこの物語のようではない、
こんなドラマチックなこともなく、むしろ、
もっと残念なことが見え隠れしたりということもあったと
そんなことを思わされたりもして、なんだか
素直に楽しめなかったのかもしれないと感じたが
それは、私がなんか間違っているようにも思うのである