CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】お金の悪魔

2018-10-08 21:21:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
お金の悪魔  作:H.M.エンツェンスベルガー

いまいちよくわからない話でありました
謎の富豪である大おばさんが、孫のような子どもたちに
経済レクチャをするという話のはずなんだが、
いかにもな内容ではなく、
国は勝手にお金を持っていくので気をつけようとか、
自分が生きているだけで、何百万人の世話を受けているだろうかとか、
影響が大きいところは悪いことをしても潰されないとか、
確かに処世訓というか、経済にまつわるトピックスを紹介していくのだけど、
実際にどうやって運用しましょうとか、どうしましょうねといったことは
一切でてこないという清清しさで驚くのであります
よくある、経済指南書が童話の姿を借りたものとは
一線をかくするといえるのでなかろうか

そんなわけで、お金の話をしているというよりは
経済、しいては、世の中がどうなっているか、
どんな風だから、損をしたり、得をしたりがあるのかというのが
なんとなくだけど教えられるような内容でありまして
格差が広がっている現状であるとか、
経済の流れについてがなるほどと教えられるようでありました

答えを教えてくれる本ではないというのが味噌なのかと思いつつ、
そういう世の中で、そんな仕組みですよ、
じゃぁどうするかは自分で考えなさいというのが趣旨であろうと
思ったりするわけでありまして、
指南本というのは、こういうアプローチで書く方法もあるのかと
今まで、あれこれ日本の指南書を読んできて
わかった気になって終わっていたという課題が
解決する方法といえばいいか、
こういうのを良著と呼ぶべきかと思わされたりしたのでありますけども
自分で考えるという部分を放棄して読んでしまうと
やっぱり意味がないというか
本そのものの価値すらもなくなってしまうので
なんというかな、知識をつけるのではなく
知恵を育むための本であったと
結論づけておいて、わかたふりをしておこうと思う