CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

2018-10-23 21:09:27 | 読書感想文とか読み物レビウー
なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?  著:山口 揚平

お金と信用とを語った経済本でした
著者が実際に経営してきた内容をふまえつつ、
お金と呼んでいるものは、信用や、価値を創造するものの
代弁に他ならないと、そこまで言わないけども
なかなか苛烈な意見をぶつけた一冊であります
実際その通りだなと思うというか、
原初、原始、ともかく、物事の始まりにおいて
価値というものは、信頼や信用というものから生まれていたと
そこに立ち返った経済のあり方をうたっていて
なかなか面白かったのでありました

マネーゲームの真っ只中で、でかいディールもこなしていたようなので、
そのあたりに辟易して、本当の経済とは何かを考えて、
ちょっと哲学めいてしまっているところも面白いのだけど、
国家という枠組みが破綻をきたしつつあり、
仮想通貨とか、そういったものに
様々なことがシフトして、物々交換も復活しているような世の中で
経済活動とはどうしていくのか
そんなことをあれこれと考えてレクチュアしてくるようでもあります

最終的にというか、話の中で、
通貨というか、お金というのはコミュニケーションの手段であると
抽象化というか、例え話をしていて、国家の枠組みも飛んで
誰かと、誰かが、何かを交換するということを
お金というもので語り合うと定義しているのは
なるほどとも思われるところでありました

タイトル部分についても言及がありましてというか、
そもそものとっかかりで説明されているのだけども、
ピカソがいかに、自分の価値をわかって生きていたか
それによって、生きているうちにどれほど評価されていたかという話が
なるほど面白いことでありました
自身の価値を高めることを様々に行い、
また、その価値を生み出す方法も卓越していて
気付いたら錬金術師めいたことも行っていたりして
それが、今でいう信用創造であったというのは
合点がいくというか、面白いなと思わされるところであります

実業といっていいのか、
世の中をどうにか渡っていくにあたって、
お金という形で持つべきものもあるが、
そうではないそもそもの価値というものを大切にすることで、
お金ではないもので、サービスやモノを手に入れるということもできる
価値、クレジットに対してもっと柔軟に考えてみようと
そんな風にも思わされる面白い一冊でありましたとさ