CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】人工知能と経済の未来

2018-10-10 21:08:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
人工知能と経済の未来  著:井上 智洋

まとめてしまうと、AIでBIというお話でありました
いや、うがった読み方になってしまったのだけども
以前に同著者の別本を読んだなと途中で気付いて、
今回の本が、AIから導き出したのではなくて、
BI(ベーシックインカム)を使った経済活性に、AIが役立つのではと
逆説的にアプローチした本ではないかと
感じたのでありました
本の体裁はあくまでAIからスタートしているけども、
どうにも、BIにもっていきたくて
そういう理論を作ったように読めてしまったのだが
はて、どうでありましょうや

と、気持ちの悪い感想はさておきまして、
AIが人の仕事を奪っていくという、よくある恐ろしい話について、
どういうものがなくなるのか、シンギュラリティはやってくるのかと
AI通り一遍のお話が入ったあとに、
AIというものが本当にうまく機能しだしたら、
超高機能な社会主義国家を形成できるんじゃないかというお話になり、
やがては、そこで人間を原則的に支える制度としての
ベーシックインカムが非常に重要であろうと
そんな結論にもっていかれるわけであります

個人的にベーシックインカムはステキだなと思わなくもないのだけど、
色々な経済の本とか、人間社会の本なんかを読んでいると
ベーシックインカムがあれば、結局、
その分だけ底上げされた値付けがなされて意味がなさないんじゃないかと
思わなくもないのでありまして、
ややこの論調には懐疑的に読めたという具合であります

とはいえ、計画経済めいた社会制度を実施するには
AIの演算能力が何かしら役に立つかもしれないと
思わなくもないところであります
ただ、闇雲に今一度ソビエトの夢をという話ではなくて、
そういう歴史のゴミ箱行きしたものを
今更ありがたがるのではなく、もっと未来志向というか
新しい経済や仕組みを考えようという感じで話は広がっていき
なかなか、楽しい推論を伺うことが出来た本でありました

いくつかの引用の中に、2ちゃんねるのぼやきめいたのが引用されているところが
ちょっと、なんとももやっとさせられたというか、
もう今更2ちゃんねるでもなかろうと、ホイチョイみたいな難癖もつけたくなるのだけども、
ともあれ、ばらまきとベーシックインカムと、ともかく
貨幣的な価値を流動させるために、何か考えて、
その役目をAIが担ってくれるといいなぁと
そんなことを考えたりしたのでありまして、

ただ、この本では2035年頃には、AIがシンギュラリティを迎えそうな雰囲気でありましたけど、
そのあたりもやっぱり懐疑的なので、なんというかな、
経済とAIというアプローチは面白いので
また別の本も読んでみたいと、その一冊になったという読み方で
閉じたのでありましたとさ、メモメモ