ドラマの展開としては三国同盟前夜辺りと言う所なのだが、私は上杉竜若丸の悲劇で、頭が一杯になってしまった。
関東管領の上杉憲政は、北条に追い詰められ越後に景虎を頼って逃れるが、妻鹿田新助の進言に従って、嫡男である竜若丸を残す。それは、共に北条に捉えられたら、上杉は絶えてしまうからと言う、もっともらしい進言だった。だがそれは偽りで、妻鹿田新助の裏切りによって、竜若丸は北条に差し出されてしまう。
北条氏康は、竜若丸の縄をとき、剣を持たせて刀を交える。それは、家臣に裏切られて首を刎ねられるのではなく、討ち死にと言う最後を迎えさせた、せめてもの武士の情けだったのだろうか。
そして、
「二心ある者の首を刎ねよ。」と裏切りの家臣たちは成敗されてしまう。
その時の妻鹿田新助の恐怖の叫び。同情などはしないが、その恐怖の思いは伝わってくる。人生の流れは一方通行。決して逆流しない。そして知るのだ。どんなに地団太踏んで悔いても、決してやり直す事の出来ない滅びの選択だったことを。
そして、悔いる選択に嘆かなくてはならなかったのは、愚かな父である上杉憲政も同じ事だった。
いつだって正義の味方の景虎、涙目で
―なぜ御嫡男を逃し、御自信が残らなかったのか―
たぶん、問われて初めて気がついたのだと思う。常に「主」として生きてきたものの視野の狭さ、想像力の欠如・・・
わずかばかりかばうとしたら、竜若丸の乳母は妻鹿田新助の妻だった。それだけ家臣を信じていたのかも知れない。
だけど、今日のメインはその話ではない。
大井夫人の最後に見た悪夢・・・・
三条夫人と語らっていた時には、
「私は幸せなんです。」と、穏やかな晩年の雰囲気を醸し出していたのに・・・
その悪夢のシーンは、見応えあり、本当に恐ろしかった。晴信は父と同じ道を歩み、子は晴信と同じ道を行く。
違う選択は、武田にはなかったのだろうかと、深い溜息と共に思ってしまったのだった。
※ ※ ※ ※ ※ ※
「北条はこの景虎が成敗いたしまする。」
―そうは、やすやす行かないのさ。― と、我が殿。
―でもさ、いつか滅びちゃうんだよ。今川もさ、北条も、そして武田もさ・・・―と、私。
―でも、武田が滅んだから織田が残り、織田がいたから豊臣が生まれ、豊臣が天下を取っている間に徳川が力をつけて行った。そして、江戸がと言うように、みんなそれらは歴史の必然なんだよ。その滅亡もこの地点から見ると必然・・・―
―ふーん、なるほどそうだよねえ・・・おやッ、じゃあ、あのブログ名はこの辺にお名前の由来があるのかな・・・―とか、余計なことを考えている私。
― そうは言ってもなぁ・・・ 『儚きや 走る大望 一夜の夢』、アレッ、ちょっとこれ傑作じゃない?―って、聞いていないや。いつもの事だけど。
関東管領の上杉憲政は、北条に追い詰められ越後に景虎を頼って逃れるが、妻鹿田新助の進言に従って、嫡男である竜若丸を残す。それは、共に北条に捉えられたら、上杉は絶えてしまうからと言う、もっともらしい進言だった。だがそれは偽りで、妻鹿田新助の裏切りによって、竜若丸は北条に差し出されてしまう。
北条氏康は、竜若丸の縄をとき、剣を持たせて刀を交える。それは、家臣に裏切られて首を刎ねられるのではなく、討ち死にと言う最後を迎えさせた、せめてもの武士の情けだったのだろうか。
そして、
「二心ある者の首を刎ねよ。」と裏切りの家臣たちは成敗されてしまう。
その時の妻鹿田新助の恐怖の叫び。同情などはしないが、その恐怖の思いは伝わってくる。人生の流れは一方通行。決して逆流しない。そして知るのだ。どんなに地団太踏んで悔いても、決してやり直す事の出来ない滅びの選択だったことを。
そして、悔いる選択に嘆かなくてはならなかったのは、愚かな父である上杉憲政も同じ事だった。
いつだって正義の味方の景虎、涙目で
―なぜ御嫡男を逃し、御自信が残らなかったのか―
たぶん、問われて初めて気がついたのだと思う。常に「主」として生きてきたものの視野の狭さ、想像力の欠如・・・
わずかばかりかばうとしたら、竜若丸の乳母は妻鹿田新助の妻だった。それだけ家臣を信じていたのかも知れない。
だけど、今日のメインはその話ではない。
大井夫人の最後に見た悪夢・・・・
三条夫人と語らっていた時には、
「私は幸せなんです。」と、穏やかな晩年の雰囲気を醸し出していたのに・・・
その悪夢のシーンは、見応えあり、本当に恐ろしかった。晴信は父と同じ道を歩み、子は晴信と同じ道を行く。
違う選択は、武田にはなかったのだろうかと、深い溜息と共に思ってしまったのだった。
※ ※ ※ ※ ※ ※
「北条はこの景虎が成敗いたしまする。」
―そうは、やすやす行かないのさ。― と、我が殿。
―でもさ、いつか滅びちゃうんだよ。今川もさ、北条も、そして武田もさ・・・―と、私。
―でも、武田が滅んだから織田が残り、織田がいたから豊臣が生まれ、豊臣が天下を取っている間に徳川が力をつけて行った。そして、江戸がと言うように、みんなそれらは歴史の必然なんだよ。その滅亡もこの地点から見ると必然・・・―
―ふーん、なるほどそうだよねえ・・・おやッ、じゃあ、あのブログ名はこの辺にお名前の由来があるのかな・・・―とか、余計なことを考えている私。
― そうは言ってもなぁ・・・ 『儚きや 走る大望 一夜の夢』、アレッ、ちょっとこれ傑作じゃない?―って、聞いていないや。いつもの事だけど。