森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

2011-05-18 11:04:36 | 詩、小説

突然の雨が降ってきました

音を立てて激しく降る雨

行過ぎる雨雲に乗った雨の魔女が

成すすべき事も見つからず

ただおろおろしている人々を哀れんで

手を合わせて祈ったのでしょうか

 

雨粒の一粒一粒に

その悲しみを閉じ込める

雨粒の一粒一粒に

その想いを包み込む

雨粒の一粒一粒に

・・・・・・・・・・・

 

雨の魔女は

最後になんと言ったのでしょうか

雨の音が凄すぎて聞こえませんでした

 

突然に降ってきた雨は

激しくひとしきりに降ると止んでしまいました

だけど重い雲は広がったまま

 

その雲の上の王国には

キラキラ光る虹の橋がかかっていました

地上の人からは見えないその虹を見上げて

雨の魔女は

ほんのちょっとだけ満足の微笑を浮かべて立ち去ったのでした。

 

雨粒の一粒一粒に

その悲しみを封じ込める

雨粒の一粒一粒に

この想いを包み込む

それから・・・

 

雨は再び激しく降ってきました

 


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