今回の「あすなろの唄」も面白かったです。
で、一番良かったのはラストシーン。右京さんの「グッ ジョブ」ジェスチャーは、ぐっと来ましたよ。
右京さんは言いました。
「あなたが重要な研究をしている事と、人を殺してしまって裁かれる事とはまったく別のものですよ。」
だけどそれを言った右京さんの言い方は、いつもの怒りの強さはありませんでした。
特命の部屋で、尊に
「何を考えているんですか?」と聞かれた右京さんは
「以前、君が考えていたような事ですよ。」と答えました。
それってどんなことだっけと思わず具体的な物語とセリフを思ってしまったのですが、私には分かりません。マニアの方で分かる方は教えてくださいね。だけどなんとなく内容は分かる様な気がしました。
残念。
本当に残念ですよね。
もしもこの事件がリアルなものだったら、地に叩き付けられた様な気持ちになるのは、関係者ばかりではないはずですよね。
スペシャリストは、その道の事だけを考えていてよ、まったく。
思わず本当にそう思ってしまいましたよ。
だけど、この事件には日本のある種の問題がくっきりと表れていましたよね。
技術の海外流出。今の日本には、それを止める力がないのでしょうか。
日本がエネルギーの供給国になる。そんな夢のような事が起きるなんて。その研究を国を挙げて守らないなんて考えられない。
でも今の日本の体質では、現実にありえることで・・・
あ~あ。
だからと言って殺人に及ぶなんて愚かすぎますよ←いきなりドラマの話に戻ります。
自分しかこの研究ができないと言う自負があるのなら、もっと自分を大切にするべきだったのだと思います。自分を大切にしようと思うならば、人など殺してはいけないし、相手は大切な「相棒」だったはずなのに。要するにこの研究には彼の力は無用と思ったこともその底辺にあると思います。
結果的には、その相棒を硫化水素で殺す事によって、自分の愛すべき研究対象のバクテクロリスも死滅させてしまったのは自業自得としか言いようのない事ですよ。自業自得どころか、人類の未来への多大な損失ではないのかと思ってしまうのですよね。
だから研究者は消えても、殺人を調べる為に採取したわずかなバクテクロリスを尊が保管していた事は救いです。
人材と言うのは、不思議と「次」の人が出て来るものだと思います。だから完全死滅でなかったと言うラスト、右京さんのジェスチャーが洒落ているなと心に残ったと言うわけです。
今回、記憶に残ったシーンは米沢さんの反抗期シーンでしょうか。でもこれ、実は米沢さんが気の毒ですよね。だって凄く上機嫌だったのに。あの後、きっと街に歌でも歌いに行く予定だったんじゃないかと思いました。米沢さんは趣味が多いし、なんとその中のひとつは、ストリートミュージシャンなんですものね。
右京さんのごり押し分析依頼に一見、「はいはい」といつもの米沢さんらしかったのに
「後で、紅茶の差し入れをします。」に「それは、どうも」と一回目は優しく、二回目はイラットした感じで言いましたよね。
珍しいシーンだと思いました。
だけどシナリオは櫻井武晴さん。
ところで、劇中で歌われていた「あすなろの唄」は・・・
あすなろ あすなろ あすはなろう
おやまの だれにも まけぬほど
ふもとの むらでも みえるほど
おおきな ひのきに あすはなろう
アスナロはその葉が似ている所から、明日はヒノキになろうと歌われているわけですが、元々違う植物で、決してヒノキになる事はないのですよね。殺されてしまった人は、「育てる」と言う意味でこの歌を歌っていたと思うのですが、このタイトルには深い意味があったように思いました。
明日はヒノキになる事もなく・・・・
視聴率は15.1%。今季はこのベースで良いんじゃないでしょうか。肩の力を抜いていきましょう。
と言うわけで、今回が今年最後の「相棒」でした。
次回は元日スペシャル「ピエロ」。楽しみですね♪