森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「モリのいる場所」

2018-08-03 00:43:29 | 映画

ちょっと前の7月5日に、またも姑と一緒に見てまいりました。

映画の感想が溜まってしまいましたので、続けて書いて行こうと思います。

 

見に行った先のシアターでは公開が終了してしまいましたが、空席が少ないほどの盛況ぶりでした。続々と入ってくる観客の方は、ベテランシニアさんがいっぱいで、私なんかは一番若かったような気もしてしまいました。

やっぱり樹木希林さんはシニア女子のアイドルなのでしょうか。

順次公開されているこの作品も、どんどん公開が終了されて行き、それでも都内では2か所全国では16か所公開中です。

 

この物語は伝説の画家熊谷守一のある日の一日を描いたフィックション。

物語の中では30年間、家の敷地から一歩も出ないで庭の自然を描き続けた画家と紹介されていました。

私はこの画家さんの事を知らなかったので、家に帰ってからいろいろと調べてみたのですが、30年間と言うわけではなかったとか50坪よりも狭い30坪ばかりの庭だったとか、いろいろな違いはあっても、やはり勲章授与の内示などを断ったエピソードなどは本当の事で、いろいろなそのエピソードをモチーフに描けば、なかなかの魅力あるお話になったと言うのも分かるような気がします。

もちろんフィクッションです^^

 

 

老いた人の朝食の風景。

はさみを使ったりペンチを使ったり。思わず笑いが会場に起こりましたが、私はちょっと感心してしまいました。

老いるとはいろいろな体の機能を失う事でもあると思います。でもこんな風に知恵を使い道具を使って補えばいいのですよね。

そして狭い庭での探索。

花を見て、「いつ、咲いた!?」と問うモリ。

昨日と違う場所にある石を見て、「いつから居る ?」と問うモリ。

ただそこにあるものを、普通に見てそして深く思う。

そして普通にあるものを、なんて美しく見せる撮り方なのだろうかと思いました。

だけど私、こんな風に夜遅くまで起きているのが常の生活。

ちょっと美しい自然の小さな風景の連続に、少々意識が遠のきかけました。

環境ビデオか!!って。

意外とその時間が長かったものですから。

「いけない。いけない。勿体ない。」と自らを叱咤し、失いかけた意識から数秒で覚醒すると、どこからともなく聞こえてくるスース―スーと言う寝息。しかも後からは、あれだけ注意されているにもかかわらず、携帯の着信音が鳴ってしまうしね。

 

もうね、決して「今の若い人は。」なんてことを、それらの人たちは言わないでくださいね。

映画館でのマナーは、断然、若い人たちの方が良いですからね。

頑張るのだ、ベテランシニア !!

 

さてさて、その後はいろいろと押しかけてくる人々(宿屋の主人・カメラマン・マンション建設の輩たち・謎の男など)でお話は盛り上がります。

どこかで読んだと思うのですが、モリの妻は、最初は違う男の人と結婚していて、モリを支えるために、彼と再婚をしたのだったと思います。もうそれだけでドラマになるような気がしますが、そこはこの作品の中では、さらりと妻の口から「前の人も良い人だったのよ。」と語られて御終いになってしまいます。

そこだけはもうちょっと踏み込んでもらいたかったと思いました。

 

ただ私、この作品のリサーチは帰って来てからやったと言う呑気ぶりで、

「まあ、この人も出るのね。」と嬉しい悲鳴をあげました。

カメラマン役の加瀬亮はもちろんでしたが、青木崇高、三上博史と、私の好きな人ばっかり。

 

既に記憶もおぼろでセリフは不正確ですが(いつもの事でしたね。)

モリの「生きているのが好きなんです。」と言う言葉には、100%の共鳴をしました。

朝食・昼食・夕食とそれぞれのシーンがあって、そして宇宙とも対話をして(?)、そして二人だけの静かな時間が来ます。その後、モリは「夜の学校」と称して、アトリエへと向かうのでした。

なんだか丁寧な暮らしを感じて、見終わった後、清々しさを感じました。

 

熊谷守一の事をもっと知りたいと思ったので、美術館を検索しました。

美術館だよりに次女であり館長の「モリの映画について」と言う記事が寄せられていて、それを読むのも楽しいですし、またその頼りに載せられている美術館へのアクセスの説明が、何とも言えない味を持っているのです。「30歩ほど歩くと左に入る道があるので・・・」みたいな感じです。まるで映画の中に出てくるような「美術館だより」だと思いました。

 

その「美術館だより」は→こちらです

 

コメント (2)
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