夕方の5時半くらいにちょっと作ってあったカレーを食べたので、今日はもう夜は食べないようにしようと思っていました。
だけど夜の短いバイトのストレスが半端なくて、夜遅くに食べてしまいました。なんだかそれをちょっと後悔したりするならまだしも、そんな事はどうでも良くて、過食に走ってもそれでも心の重さが取れません。
お布団の上に転がってゴロゴロしていましたら、夫殿が
「お風呂に入っちゃうね。」と言いました。
なぜ許しを請うかのように言う ?
と、そんなくだらない事を考えながら、更にくだらない事を考えてしまいました。つまりそれは、なんだか横たわる体の上にバサッと土などを掛けて頂きたいような、そんなイメージの衝動にかられたのです。
もちろん本当になったら困ることです。それは恐ろしい事で、マジにサスペンスです。
だからイメージです。
身体はどんどん土の中・・・・・・・。
ああ、そう言えばさ、ちっとも涼しくならなかった今日この頃。この前子供がセミの鳴き声を聞いたってね。
「今でもセミは居るのですか。」と聞かれたけれど、
「いつまでたっても暑いですからね。勘違いしていたセミもいるかもしれませんよね。」と私は言いました。
そしてまた、きっと死ぬタイミングを逃したのかもなと、私は密かに思いました。もちろん子供には言いませんけれど。
それでまた思い出したのですが、以前中学生とセミの幸せについて話したことがありました。
「蝉は地上に出て1週間の命って言われてますが、1か月くらい生きるのもいるらしいですよ。」と中学生が言いました。さらに「3年から長いものは17年も土の中にいるらしいですよ。それなのに長くて1か月だなんて割に合わないとおもいません?」
「あらッ、だって、幼虫の時だって、セミはしっかりセミなのよ。成虫になった時がセミの本当の人生で、幼虫の時は仮の人生と認識することが間違いで、長さから言ったら、セミの本来の姿と言うのは幼虫の姿なんじゃないかしら。何の義務もなくただ成長して行けば良いのだからむしろそっちの方が幸せじゃないかな。それにしっかりと3年から17年生きるわけだから、短い人生の儚さみたいなのを感じる事もないのよね。」と何気にセミを擬人化させ、なかなか面白い時間だったのでした。
だけど今日、イメージの土の中に埋もれながら、ふと思いました。
もしも土の中の奥底に、セミの幼虫が通る道があり、そしてそのまた奥に、セミたちの交差する空間があるのなら、長い幼虫の時代もそれなりに楽しい時間に違いないと思えるけれど・・・・・・
例えばモニョモニョと土の中のセミの道を歩いて行くと、向こうから同じようなセミの幼虫がやって来て
「はーい、君はそろそろ地上に行く頃ですか。」
「いやいや僕は、あと2年ばかりはダメだと思うよ。それよりもあちらの方の木の樹液は最高らしいよ。一緒に行かないかい?」
「うん、それ良いね。行く行く。」
だけど実際は、卵から孵化したセミの幼虫は、その木の上から土の中にもぐって行くのです。きっとその木の樹液を吸って、何年も土の中で暮らすのでしょう。
セミには寂しさや喜びを感じる「心」と言うものはあるのでしようか。
もしもサミシイと言う感情があったならば、それこそ残酷な長い時間と言えるでしょう。
虫だからそんなものはないのでしょうー。
いや、だけどあの地上に出たセミたちのマックスの鳴き声を聞いていると
「僕はここにいるよ。僕はここにいるよ。」と待ちに待ったその時を謳歌しているように感じます。もちろんそれは雌たちに向けてのアピール。
だけどそれだけかしら。
「僕はここにいるよ。君はそこに居たんだね。みんなそこに居たんだね。」
孤独と言う鎧を脱ぎ捨てた、種族の雄たけびかも知れないじゃない。
ここまで読んで下さっている方に馬鹿らしいって、すでに思われていそうー。
だけど本当の事は分からない事なのよね。
だってそれ、セミに聞いたことないでしょう ?
そして再び私はイメージの土の中。
なんでかセミっていつも擬人化しちゃう。
「君、寂しくないの ?」と私は聞きます。
まだ地上に出ない人間の幼虫。それだとちょっと気持ちが悪いから、妖精さんにしておきましょう。彼らは人型だから「心」があるのよね。
「僕は分からない。自分の声を聞いたことが無いから。」と彼らは言う。
「僕も分からない。どこに向かったら地上に出る道はあるのだろう。」
「どうしていいのか分からない。」
「だから僕たち、すべて分かっているふりをしているんだ !!」
ああ、分かった。
今日の私の失敗がー。
すべて分かっているふりを一生懸命にしている、どうしていいのか分からない寂しい子供たち。彼らを前に同じように、どうして良いのかさっぱり分からなかった私ー。
大人はやっぱり、時々見栄をはってでも、子供たちの前では大人でいようねって事だよね。
というわけでバサーッと土を払いのけて、地上に出てきました。
日付が変わってしまったので、もう今日ですが、今日も一日頑張ろうっと♪